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4-34

作者:4代目スレ33氏
備考1:ヒーロー×女戦闘員

 悪の秘密結社《ヘルファイア》。その全貌はまったくの謎に包まれており、具体的な規模や構成員数なども不明。
 唯一、その最終的な目的は世界征服だと掲げ、破壊工作をはじめとした数々の悪事――麻薬や人間の売買、要人の暗殺、凶悪な兵器の開発など、すべての活動は、そのための布石でしかないという。
 そして今日もまた、罪のない人々が《ヘルファイア》によって苦しめられているのだ。
 大都市の雑踏に突如として現れたのは、《ヘルファイア》の戦闘員たちだった。
 二十人以上もの徒党を組んで押し寄せた彼らは、全身を黒いレザースーツのようなもので包み、頭部はフルフェイスのヘルメットで覆い隠している。
 悪の組織の雑兵だ。
 全員がマシンガンやショットガンなどの銃器で武装していた。そしてそれを使用して人を殺めることになんのためらいも見せないところが、《ヘルファイア》の恐ろしいところだ。
 マシンガンが火を吹き、何十発もの銃弾が人々を貫き、殺した。
 散弾が親子の頭を吹き飛ばした。
 バズーカが車を何台かまとめて破壊する。手榴弾が投げられて転がり、少年の足元に転がった。そして爆発。
 平和だった都市の喧騒が、悲鳴と断末魔があふれる阿鼻叫喚の地獄絵図に一変する。
 なにも知らない非武装の一般人は、判断が遅れたため、逃げ出すこともできなかった。
 血と肉片が雨のように降り注ぎ、血煙がたちこめた。三分とかからずに百人以上もの人間が死に、それでも《ヘルファイア》は飽き足らないらしい。逃げる者を追いかけては銃弾をぶち込み、確実に命を絶っている。
 絶望と恐怖が混沌として渦を巻き、希望の光など一点もない地獄。
 交差点の中央で邪悪な高笑いを上げる者がいた。
「げへえええへへへへ! 楽しいなあ、皆殺しは!」
 巨漢だった。それも、身長は四メートル以上もある。もはや巨人だ。レザースーツを身に着けず、筋骨隆々としたおのれの肉体を誇示するためか、迷彩色のズボンをはいているだけで、上半身は裸だった。
 素顔ももちろん晒している。見事なスキンヘッドの、壮年の男だ。
 巨人は、両手にそれぞれ一丁ずつ、機関銃を持っている。それを自在に操り、まだ生きて動いている一般人を見つけてはそこめがけて乱射していた。
 本来、機関銃はこのように扱える代物ではない。だが、冗談のように太い腕の筋肉が、全身を構成する超筋肉が、そのような馬鹿げた芸当を可能にしているのだ。
「ぐへはははは! 虫けらどもがあ! ひざまずけ、許しを乞え! そして死ねぇ!」
 男の高笑いは止まらない。その銃弾を浴びたものは、水風船のように弾けて死んでいく。
「ぶぇへへへ! いひひひ! 楽しい、楽しすぎるぜ! 生きる価値もねえクズどもを殺すのはよお!」
 そのとき、巨漢の足元で、もぞもぞとなにかが動いた。まだ幼い少女だ。のろのろと這っている。足に流れ弾を受けながらも、なんとか悪漢の魔の手から逃れようとしているのだ。
 巨漢はそれを見逃さず、少女の背中を踏みつけた。少女の悲痛な叫び声が上がる。
「なんだあ、おまえは! いまさら逃げられるとでも思ってんの!? オヒヒヒヒ! 馬鹿めが。虫けらの分際で、なに夢みちゃってんだよおおお! 死ねえィっ!」
 ばん。至近距離から機関銃が放った銃弾により、少女の頭が木っ端微塵に吹き飛んだ。
 男の笑い声が、いっそう高らかになる。
 《ヘルファイア》は残虐だった。無慈悲だった。
 そしてその悪道を、けっして許さぬ者がいる。
 最初に気づいたのは、戦闘員のうちのひとりだ。遠くの方に、男がひとり立っている。
 ごく普通のシャツとズボンを着た、普通の日本人の男に見えた。手には日本刀を持っていた。
 いったいどこからあんなものを、と戦闘員は思ったが、すぐにどうでもいいことだと思った。
 日本刀で銃に勝とうなどと、馬鹿げた考えだ。思い上がった野郎め、ヒーローきどりのアホには死を見せてやる――そう思ってマシンガンの銃口をそいつに向けた。
 いなかった。戦闘員は我が目を疑い、次の瞬間、その声を真横から聞いた。
「悪党め」
 ずばん、と日本刀がひるがえって肉を絶つ。最新技術の結集たる防弾防刃スーツを戦闘員の胴体ごと紙のように切り裂いたその男は、怒りに満ちた声で叫んだ。
「悪党どもめ。ゆるさん……全員まとめて地獄に送ってやる!」
 その男の姿が幻のようにかき消えて、手近なところに突っ立っていた戦闘員を三人ほど同時に切り捨てる。
 巨漢が、他の戦闘員たちが、そこでやっと日本刀の男に気付いた。
 巨漢のこめかみに青筋が浮かぶ。部下を殺されたことなどどうでもよかったが、自分の楽しみを邪魔するような生物には容赦しない。
「ああん!? なんだ貴様はあああッ!?」
「土居、和馬! 貴様らをぶち殺す男だ!」
 宣言すると同時に地を蹴り、さらにひとりの戦闘員の命を奪い、かえす刀でもうひとり、襲いかかってきたひとりを返り討ち、奪ったショットガンでふたりを殺す。
 時間にして、三十秒も経っていないだろう。戦闘員たちは全滅していた。
 ごりん、と凄まじい音がした。巨漢の歯軋りの音だった。
「なるほど……ふん! 多少はできるようだな。だがッ!」
 機関銃を邪魔だとばかりに投げ捨て、「フンッ!」と鼻息も荒く、全力で力む。すると、なんということだろうか。ただでさえ筋肉の塊のようであった男の全身が、さらに一回りほども膨れ上がった。これではもう、筋肉の城砦だ。
「この俺に勝つことはできん。貴様ごときにはもったいないが、名乗ってやろう。我が名はオルガ。オルガ・ザ・デビルマッスル!」
「こい。肉だるま」
「おおおおおおおおっ!」
 ずん、と、地響きを立ててオルガが突進する。自身を砲弾と化したこの攻撃に、和馬はどうやって対抗するというのか。まともに食らえば戦車をも一撃でスクラップにする超威力を、受けるのか。避けるのか。
 そのどちらでもなかった。和馬は焦らず、日本刀を真正面に構える。
 一刀両断――それが和馬の選択。
「チェェエエストトオオオォォォ!」
 気合と共に、刀身が幾つもに分裂した。いや、違う。あまりの速度に残像が現れたのだ。
 せまる筋肉を、白刃が迎え撃つ。
 その瞬間、和馬とオルガの耳朶を打ったのは、肉が断たれる音でも、肉が潰れる音でもなく、がきん――という、甲高い金属音だった。肩口に吸いこまれた刃は、硬質の筋肉に阻まれてそれ以上進むことができない。
「馬鹿な」
 和馬の驚愕の声を打ち消す、轟音。オルガの体当たりをまともに食らっては、さすがの和馬も命がない。玩具のように吹き飛ぶその姿を見て、オルガは会心の笑みを浮かべた。原型をとどめているだけマシなのだ。
 だが、和馬は立ち上がった。だが無事ではない。吐血し、砕けた奥歯もいっしょに吐き出した。優れた身体能力だけではなく、鍛えぬいた技術力によって、直撃の衝撃を最小限にまでとどめたのだ。
 とはいえダメージは大きい。奇跡的に骨は折れていないものの、今の攻撃をもう一度でもくらえば、今度こそ死ぬだろう。次を受け流せるような気はしなかった。
 オルガは和馬が立ち上がったときこそ少しだけ驚いたが、今では余裕を見せている。
「立ち上がるだけ無駄だ。貴様では俺に勝てない。《ヘルファイア》における俺の序列は第四階級! 戦闘能力は貴様が倒した雑兵どもの二千倍だ!」
「ふん。そうか。……それがどうした。筋肉馬鹿が」
「なにい!? 貴様……よほど殺されたいらしいなあ」
「やってみろよ。くそ野郎」
 オルガの怒声が上がり、ふたたび大地が激震した。低い体勢での突撃。またもや、ぶちかましによって和馬を殺そうという心算なのだ。
 和馬はどうするつもりなのか。
 オルガを斬ることはできない。それは先ほどの攻防で証明された。かといって、これを避けるだけの体力は、もはやないだろう。
 汗ばんだ右手で日本刀を握り、正面に向けて構える。
 馬鹿な野郎だ、バラバラになって死んでしまえ! と、オルガはせせら笑った。
 和馬は、駆け出す。ふらつく足を酷使して、その姿は一陣の疾風になった。
 斬。
 ――オルガは立ち止まり、ショルダータックルの姿勢のまま硬直している。その背後の和馬もまた、刀を降りぬいた姿勢のまま固まっている。
 先に動いたのは、オルガだった。
 ぐらりと揺れた巨躯。そのひざが地に付くよりも先に、切り落とされた首がゴトンと落ちた。続いて、力を失ったオルガは倒れ伏す。
 和馬は、勝ったのだ。だが勝者の姿にしても、五体満足というわけではない。体中のあちこちに激痛が走り、口の中は鉄の味で満ちている。
 誰が見ても満身創痍の和馬は、だが、それでも、勝ったのだ。
 が。
 和馬の瞳が、訝しげに細められた。妙な物音を聞いたからだ。ばちばちと電流が弾けるときのような。
 背後を振り返り、オルガの頭部を見たとき、その表情は驚愕に変わる。
 オルガの首の断面は、血を流さず、変わりに機械的な部品や、赤や青のコードを垂れ流していた。白煙を噴き上げて電気がショートしているようだ。物音の原因はここにあった。
「なんだ?」
 と言った和馬の目の前で、オルガの背中に一筋の切れ目が入り、ぱっかりと開く。
 そこから、つまりはオルガの体内から、ひとりの少女が現れた。綺麗な銀髪を長く伸ばし、白いワンピースのようなものを着た、線の細い美少女だ。まだ十代半ばといった年頃だろう。
 少女は怯えたように震えながら、和馬を、そしてオルガの巨体を交互に見やる。
「ひ、ひいいい……わ、わたしのパワードスーツがあ……!」
「なんだと?」
 和馬はその一言を聞き漏らさなかった。パワードスーツ。その名の通り、個人の戦闘能力を著しく強化するための外骨格。
 巨人の筋肉の塊に見えていた体は、鋼よりも硬く、ゴムのように柔軟な性質を持つ特殊な金属で構成されていたのだ。体内は巨人を内部から操るための計器類でびっしりと埋め尽くされていた。少女の体は小柄な方だから、あの巨体の中なら不自由はしなかったろう。
「貴様の……では、貴様が本物のオルガか!」
「そ、そうです! じゃなくて、そうじゃないですうう……違うんですうぅ」
「本当のことを言え!」
「うひぇあうあああ」
 ガサガサとゴキブリのように這って、和馬から逃げようとした少女だったが、焦りと恐怖のためか、無様にオルガの体から転げ落ちただけだった。
 和馬はそこに素早く歩み寄り、日本刀の切っ先を突きつける。少女は尻餅をついたまま顔面を蒼白にして、小さな悲鳴を上げた。
「貴様がオルガか」
「はひはひはひはひ」
 がくがくと何度も何度も首を縦に振る少女に、和馬は軽蔑の眼差しを向けた。
 この少女――オルガは、本当に何の力もない無力な少女なのだ。だからパワードスーツという機械の鎧でその脆弱な本体を包み、かりそめの強さに頼るしかなかった。
「恥ずかしくないのか、貴様。同じように無力な人々を、こうして得た力で殺すとは」
「はあ? だ、だって、楽しいじゃないですかあ」
 卑屈な笑みを、オルガは浮かべた。
「えへへへ……だ、だって、強い力で弱い奴らをぶち殺すのって、もうホントに楽しいっていうか。あ、あんただって、そうですよねえ? 強いですもんねえ」
「黙れ」
 ひゅん、と刀を一閃。オルガの前髪が、何本かハラリと宙に舞った。
 きょとんとしていたオルガは、何秒後かにやっと事態を理解すると、遅まきながら絶叫した。
「うるさい、黙れ」
「はひはひはひはひはいひあはいはいいはひ」
「……もういい」
 ぞんざいに吐き捨てるように言って、和馬は刀を振り上げた。オルガの双眸が限界まで見開かれ、イヤイヤと首を横に振っている。
 和馬は辟易していたが、ひとつだけ、それでも言っておくことがあった。
「ひとつだけ訊こう。キリエという名の吸血鬼に心当たりはあるか」
「き、キリエ……キリエ・ザ・ノーライフ様。もちろんですぅ!」
「では、居場所を知っているか」
「し、しりません、あ、いや、知ってます知ってますだから殺さないでお願い!」
「もういい」
「殺さないで殺さないで殺さないで殺さないでええええ!」
 オルガの頭上に、白刃が振り下ろされた。
 だが、赤い血が舞うことはなかった。
 オルガは、自身の脳天をかち割る直前で静止した刀身を見て、口から声にならない声を搾り出し、瞳から涙を流す。
 しょわあああ……と、水が流れ出す音。オルガの股間から発生した液体は黄色く、生暖かい湯気を発している。恐怖と、その後の安堵のあまり、失禁したのだ。
 その汚らしい液体で靴を汚すことを嫌った和馬は、それを避けて歩き、オルガの髪の毛を鷲掴みにして歩き出した。痛みに顔をしかめながらオルガは喚く。
「ひ、ひぃひぃ、なんあなんなななにををお」
「気が変わった。殺す前に、犯す。せめて貴様が今までに殺した人々の苦しみを、その万分の一でも味わうがいい」
 ちょうどよく都市の死角となっている路地裏を見つけ、そこにオルガをひきずって連行した。
 ビルとビルにはさまれた、狭い空間。和馬はそのビルの壁にオルガを押し付け、背中を自身の方に向けさせる。後ろから犯すつもりだった。
 周囲の目がないことを確認すると、オルガの衣服を、乱暴に引き裂き、剥ぎ取っていく。小便に濡れて黄色く染まっていた布切れが、千切れて周囲に散乱した。
「い、いやっ……いやあっ、やめてくださぃい」
「クズめ。自分が苦しむのは嫌なのか」
「そんな、そんな、当たり前じゃないですかあ……ひどいいいい」
 和馬は、もうなにも言えなかった。この少女は本当のクズだと思ったからだ。もはやなにを言っても無駄だと、そう思った。殺すしかない。犯して殺す。それしかない。
 そう結論すると、ズボンの中のペニスも自然と準備を整えていた。ズボンの生地が張り裂けるのではないかと思うほどに怒張している。
 下着さえも破り捨てられ、白く美しい裸体を晒すオルガは、コンクリートに肌をこすって擦過傷を作る。
 ズボンのファスナーを下ろし、猛り狂っている自らのペニスを外に出すと、オルガの女陰にあてがった。
 途端に、ひときわ高い悲鳴が上がる。
「いひぃややあ、やめてええ! はじめて、はじめてなの、わたしいい!」
「そうか。それがどうした」
「か、勘弁してよオオおおおお!」
 悲鳴など、和馬の耳には聞こえなかった。
 こいつは悪党だ。どうしようもない社会のクズだ。こんな奴には何をしても許されるに違いない。そう確信していた。
 どうやら処女という話は本当であったらしく、挿入は困難だったが、和馬は剛直を無理やりに押し込んだ。ぶちぶちっ、と、粘膜を突き破って押し広げる感触が、亀頭に伝わる。
 赤い破瓜の証が、オルガの内股を伝って足元に落ちた。
 なにが起こったのか理解できていない様子のオルガは、しばし呆然としていたが、
「いっ……痛い痛いいたいいたいいいいっ! いや、やめてやめてぇええ!」
「なんだ、そんな痛み。貴様が今までにしてきたことに比べれば、なんでもない」
「ああああがあうああああ」
 濡れてもいないのに和馬の逞しいペニスを挿入されれば、処女でなくとも泣き叫ぶだろう。ましてや和馬に遠慮などという気持ちはなかった。
 髪を振り乱して半狂乱になりながら泣きじゃくるオルガの姿を見ても、和馬は哀れみを感じることがない。当然だ。オルガはこうなって当然の罪を重ねてきたのだから。
 がつん、がつんと、腰と腰の骨を乱暴にぶつけ合い、オルガの奥深くにまでペニスを叩き込む。子宮にガツガツと亀頭が当たるたび、潰れたカエルのような声を上げるオルガ。
「んぐふっ、ひっ、ひぎいっ」
 オルガも気持ちよくないが、和馬もまた快感を得ることはなかった。なにせほとんど湿ってさえもいない膣なのだから。破瓜の血が多少は潤滑剤の役目を果たしていたが、それでも自在に抽送できないことには歯がゆさを感じていた。
「おい。もっと濡らしてみればどうだ」
「む、むり無理無理、もう無理ぃぃぃ……」
「ふん。だったら手伝ってやる」
 言うや否や、オルガの小ぶりな胸に和馬の手が伸び、耳朶には舌が這い回った。
「うひぇあっ」
 餅のようにこねられ、乳首をクリクリと刺激され、耳たぶを甘く噛まれたり舐められたりしているうちに、オルガの声の質が変わっていく。
 乳首は硬くしこり、頬はリンゴのように赤くなる。
「ん、んぎひ、うっく、えふっ、んあああっ……ぎいっ」
 声には明らかに甘いものが混じり始めていた。
 和馬は侮蔑の表情を浮かべ、呆れたように言う。
「なんだ。感じたのか。これでは罰にならんな……淫乱女め」
「ひう、ううんっ、ち、ちがうううう」
 ぼろぼろと涙をこぼしながら否定したところで、しだいにスムーズになっていく和馬の腰の動きが示すところは、明白だ。膣の内部が濡れているのだ。
 激しくなるピストン運動は、相変わらずオルガのことなど考えていない。
 快感を得ることに成功した和馬は、そろそろ限界だった。愛撫をとめて、射精に神経を集中する。オルガの尻の柔らかい肉は、力いっぱいに握られているせいで形を変え、痛々しい。
「よし……そろそろ出すぞ。おまえのなかに思いきり出してやる」
「ひっ、そ、そんな。せめて外に、外に出してええ」
「黙れ! おらあっ!」
 ペニスがビクンビクンと痙攣し、オルガの内部に熱い白濁を吐き捨てた。じんわりと自らの肉に染み込んでいく精液を感じて、オルガは嗚咽をもらす。
「うああ……いやああああ……でてるよお、わたしのなかに……」
 だが、そんな悲しみに浸っている余裕などなかった。
 和馬は早くも二度目の射精に向けて動き出したからだ。一度目の欲望を吐き出しても萎えることを知らないペニスは、むしろますます硬く熱くたぎっている。
「えひいっ!?」
 驚きの声を上げて、振り向くオルガ。その瞳は鬼を見た。
 ――土居和馬の人生には、大きな不幸があった。
 ごく普通の家に生まれ育った彼には、ごく普通の両親と、ごく普通の妹がいて、ごく普通の生活を送っていた。
 他人に誇れるような偉業も財産もなかったが、満ち足りていて幸せな生活だった。
 だがその幸せを、五年ほど前、ひとりの吸血鬼に奪われた。その吸血鬼は和馬の家族を皆殺しにして、そして最後に和馬の血を吸うと、楽しげに笑った。
 ヴァンパイアに吸血された人間は、とても正気のままではいられないほどの快感を得る。それを感じた和馬が我を忘れて射精し、家族の死体に精液をかけたからだ。
 しかもそのときの和馬はそれを恥ずかしく思うこともせず、吸血鬼に向かってもっと血を吸ってくれと土下座して懇願していた。
 顔を上げたとき、吸血鬼はどこにもいなかった。それに気付いて和馬がしたことは、嘆き悲しむことでも怒りに燃えることでもない。勃起したペニスを慰める手段を探すことだった。
 そのあとは、心臓を貫かれて死んでいる妹の姿に欲情して、おぞましくもその性器を自分のペニスでえぐって射精した。妹はまだ処女だった。次に母親の尻で満足した。
 すべてが終わった後で、和馬はとてつもない罪悪感に襲われ、死に場所を探すことになる。そんなころ、《ヘルファイア》の悪事と、そこで幹部の地位についている吸血鬼の存在を知った。
 どうせ死んだ方がいいこの命を、ならばせめて人々のために使おう。そしてせめてあの憎き吸血鬼に、あの怨敵に一矢を報いなければ。
 そう決心した和馬は、山奥の仙人のもとで修行し、一刀流を身につけ、悪を倒すために戦っている。
「あ……あ、うあああ……」
 はっ、と我に返った。
 目の前では、ひとりの少女が壁に押し付けられながら脱力している。涙を流す虚ろな瞳には、気力がない。
 知らぬ間に、いったい何度の射精を行ったというのか。膣内から逆流した精液が滴って、オルガの足元で破瓜の血と混ざり合っている。
 ずぼり、とペニスを抜き放った。そこはとうの昔に萎びていた。
 支えを失って、オルガは糸の切れた操り人形のように崩れた。気を失ったようだ。真っ赤に腫れた尻と、あられもなく精液と血を垂れ流す女陰が痛々しい。
 和馬は、おのれの萎びたモノと、そして犯されて脱力した少女の姿に、なにかを見た。
「……俺は。俺は、いったいなにを……」
 なんだというのだ、これは。
 自分は戦ってきたはずだ。悪を倒して、罪のない人々を救うために、死に物狂いで戦ってきたし、今でも戦っている。
 だがならばこれは何だ。罪を犯したとはいえ、無力な少女を犯しまくって、それで快楽を得るなどと。
 悪魔だ。鬼だ。鬼畜生だ。
 自分は妹や母の死体を犯したときから何も変わってなどいない。
「う、うぐ、うぐぅぅぅ……」
 今度は、和馬が泣き崩れる方だった。
 和馬は戦闘員の死体から衣服を剥ぎ取ると、気絶したオルガをそれで包み、路地裏をあとにした。
 遠くからパトカーや救急車のサイレンの音が近づいてきていた。
 和馬の足が向かった先は、一軒の古びたアパートだった。木造の二階建て。住人はいるのかいないのか、人気のなさのせいではっきりとしない。
 世界各地を転々としている和馬が、この町に滞在するにあたって拠点としている場所だった。
 二階の一番左側が和馬の部屋だ。人目を気にしつつオルガを連れ込み、ベッドに横たえる。
 思えばこの狭い部屋に自分以外の人間を連れ込むのは初めてだった。
 戦闘員の服はサイズのせいで着せられず、オルガは素っ裸のままだ。これではまずいと思い、クローゼットから自分のシャツを取り出した。
 いまさらなんだと思いながらも、裸体からはなるべく目をそらしながら着せた。男物なのだから、少女には大きすぎてだぶだぶだ。
 まあそれで大事な部分は隠せるのだからよいだろうと思うことにした。
 とりあえず、起きても暴れ出したりしないようにと、オルガを拘束するための道具を探す。手錠や頑丈な縄などでもあればよかったのだが、あいにくと見当たらなかった。
 なんでもいいからなにかないかと探してみると、手ごろな長さのネクタイを見つけた。 これでいいだろう、と決める。
 オルガの両手を背中の後ろに回してから、両手首をネクタイで硬く縛った。和馬にとっては慣れない作業だったが、なんとかこなした。
 なるべく優しくベッドに寝かせてやるものの、手首を縛っているために腰のあたりが浮いてしまう。
 まあこのくらいは我慢してもらうしかないとひとりで勝手に納得した。
 しばらく、時計が時を刻む音だけが響く。
 ベッドの上で安らかな寝息を立てていたオルガは目を覚まし、いきなり飛び起きると、あたりをきょろきょろと見渡した。そして悲鳴を上げた。
 ベッドのすぐ横には、椅子に座った和馬がいた。
「起きたか」
「あ、あ、あっ」
 と、和馬を指差し――たかったのだろうが、縛められた腕ではそれさえもできない。
「うひぇあああうあぇああ」
 意味不明の叫び声を上げ、和馬がいる方とは反対に向けて逃げ出そうとし、カサカサとゴキブリのように足を動かす。
 だが反対側は壁だ。鼻っ柱をしたたかに打ちつけ、「ぶげっ」と情けない声を出した。
「落ち着け。俺の話を聞け」
「ほげげげげ……な、なんですかぁ……」
「落ち着けといっているだろう」
「はひはへひひはひ」
「……無理もないがな」
 はあ、とため息をついた和馬は、ややためらってから、
「すまなかった」
 と言った。オルガはわけもわからず「はあ?」と胡乱げにした。
 それだけではない。先ほどまであれほど怒りを向けていたオルガに対して、和馬は深く頭を下げまでした。
「あんな、無理やりにしたことだ」
「……なにをいまさら。あんた、馬鹿ですかあ?」
 オルガという少女は、基本的にどこまでも小心者の、ごく普通の悪党だ。弱いものに対してはどこまでも高圧的で残酷になれるし、強いものに対してはどこまでも卑屈で、尻尾を振ることにためらいを感じない。
 そういう、卑怯な悪党だった。
 低姿勢になった和馬に対して、強気な言葉を使うことは、オルガにとって当然のことだった。
「あれだけ人を怖がらせておいて、しかも無理やりレイプまでしておいて、いまさらごめんなさいなんて言える立場だと思ってるんですかあ? 呆れてものも言えませんよお」
「ああ。そうだ。俺は最低だった。おまえのように弱い女を強姦した。俺は最低だ。……おまえと同じように」
 頭を上げた和馬は、オルガを強く睨み付けた。途端にオルガは小さく叫ぶ。
「なっ、ななんなんですかあ。そんな、怖い目をしてえ。また犯そうって言うんですかわたしをレイプしようって言うんですか。この殺人鬼ッ!」
「なっ――」
 最後の一言だけは聞き捨てならなかった。がたん、と椅子を倒す勢いで立ち上がる。
「それはおまえの方だ! 罪もない人々を楽しんで殺したおまえこそ!」
 そう叫ばれても、オルガは怯まなかった。
 オルガは口の片方だけを吊り上げて、皮肉げな笑みを作る。
「ぐふふふ! そうですよ。わたしは殺人鬼です。いくらでもそう呼んでくださいな。それに誇りを持ってますから」
「なに!?」
「わたしはね、見ての通り、なーんの力もありゃしない、ただの単なる小娘ですよ。いえ、それ以下です。生まれついて病弱なもんですから。
 ちょっと前まで、十年以上も寝たきりの生活を送ってました。病院でね。ずいぶんと治療費がかかったようで、親にも親類にも疎まれてすごしていましたよ。
 そりゃあそうです。なんの役にも立たない小娘ひとりを生かすのに、どうして大金を喜んで使えますか。
 ドブに放るのと変わりませんよ。そういうわけで、わたしは誰からも望まれない人生をこの先ずっと送る予定だったわけです。ですが」
 にい、と、オルガの笑みがますます深まった。和馬はぞくりと薄ら寒いものを感じた。少女の瞳には、底知れない憎悪と歪みが渦を巻いていた。
「そんなとき、《ヘルファイア》にスカウトされましてね。理由なんて知りません。どこでわたしのことを知ったのかも知りません。
 ですけどそんなことはどうでもよかった。わたしにとっては、わたしの病気を治してくれて、わたしを必要としてくれる場所があるなら、どこへでも喜んで行くだけのことでしたから。
 親にも誰にも必要とされなかったこのわたしが、このわたしがッ! 殺して殺して殺しまくれば、必要とされるんですよ少なくとも《ヘルファイア》のなかでは!」
「おっ……おまえは」
「それにねえ、人殺しは楽しいんですよ。わたしのことを無力だの無価値だのと馬鹿にしてた奴らをね、アリを踏み潰すように殺していくのはね。
 本当に人殺しは楽しいですよ。楽しすぎていけませんよ。くひひひひっ」
 ほとんど反射的に、和馬は少女に飛びかかっていた。いや、こいつは少女などではない、こいつは人間ではないとさえ思った。この悪党はもはや悪党でも少女でも人間でもなく、ただの悪辣を極めた地獄の悪魔だと思った。容赦などなく殺せと思った。
 オルガの声を、訊くまでは。
「また殺すんですか! この、イカれた殺人鬼が!」
 両手で首を締め上げるように押し倒したオルガは、息の苦しさゆえか顔を赤くしながら、それでも今回は怯えたふうを見せなかった。ひとの弱みを見つけたとき、ひとはどこまでも図太くなれる。
 はっとしたように動きを止めた和馬を見上げ、オルガは不適に笑う。
「あんたは自分で自分に気付いてないようだから、わたしが言ってあげますがねえ。罪のない一般人とやらを殺しまくったわたし達と、罪を重ねたわたし達を殺しまくったあんたとの間に、違いなんてないんですよ。人を殺してるっていう点ではねえ」
「ちっ……違う」
「違わないんですよお、それがねえ。あんただってどうせ楽しんで殺してるんでしょうが」
 違う、と和馬は思った。だがなぜかそれを言葉にすることはできなかった。
 悪党どもを斬り捨てるとき、自分は果たして楽しんで殺していたのだろうか。違うとはいいきれない。上手く斬れたとき、よく斬れたとき、そのようにして自分の強さを実感できたとき、楽しんでいなかったとはいえない。いや楽しんでいた。
 いや。そうではないはずだ。そうではない。そうではなく、いや、そうか。
「楽しんでいたのか、俺は」
「ふん。そうですよお。やっと気付きましたかニブチンめ。つまりあんたもわたしも同類なんです」
 オルガは、してやったりとばかりにほくそえんだ。なんと丸め込みやすい男だろう。力はあるが、心が弱いのだ。まったく、こんな情けない男に今まで怯え、しかも処女さえ奪われたのかと思うと、悔しさがこみ上げてくる。
 だがそれもすぐに晴れる恨みだろう。どうにかしてこいつを殺したあとは、切り刻んだ死体を海に捨てて藻屑にしてやる。それとも豚の餌にしてやろうか。悩みどころだ。
「さあ、分かったらこの手を離すんですよ。この殺人鬼野郎」
「ああ。……俺は悪党を殺すのが楽しくてたまらない」
「へ?」
「おまえのように人を殺してもなんとも思わないクズを、絶望させてねじ伏せてやるのが、楽しくてたまらないと言ったんだ!」
 なにがいけないというのか。和馬は開眼した思いだった。
 そうだ。楽しくてなにがいけないというのか。悪党め。悪党どもめ。ダニにも劣るおまえらなどをわざわざ相手にしてやっているのに、せめて楽しみがなくてどうするのだ。
 おまえらを殺すことを楽しんでなにが悪い。悪党どもめ。まったく人の役に立たない害悪め。
 せめて最期ぐらいは楽しまれて死ぬがいいのだ。それが悪党にはふさわしい。
 そして目の前のこの少女は疑いようのない悪党だ。だから楽しみ尽くしてやる。
 悟った和馬には迷いがない。
 すばやく、オルガに着せたシャツの裾をめくりあげた。申し訳程度に陰毛の生えた割れ目がさらけ出される。
 わけもわからずオルガは絶叫した。
「な、なうぇえええっ!?」
「おまえをこれから、また犯す」
「ひっ……」
「安心しろ。さっきみたいに痛くはしない。……死ぬほど気持ちよくしてやるからな」
 耳元で囁かれ、オルガは全身に鳥肌を立て、そしてなぜか下半身が熱くなるのを感じた。
 和馬は、少女の無防備な秘部へと顔を寄せる。
 股間に生暖かい息が吹きかけられると、オルガの口からは素っ頓狂な声が出た。
「んひ!?」
 続いてその二つに割れた溝に舌を埋められ、絶叫。
「おげっ、んひぐ、うあああっ! やめてやめて、やめっ」
 クレヴァスを蹂躙する和馬の舌は、遠慮というものを知らなかった。もっとも敏感な部位をざらついた生暖かいもので攻め立てられると、経験を知らないオルガにはどうすることもできない。未知の快感に翻弄されるだけだ。
「ひん、うんんっ!」
 さらに和馬はクリトリスの皮をむき、乾いた指でこすってやった。
「はぁうっ! ん、んぎああああっ!」
 急所への強烈な刺激に絶えられず、小柄な体がガクンガクンと暴れる。
「――っ、うっ、うあああっ!」
 舐めしゃぶっているうちに、膣の奥からなにかが染み出してきた。白い。さきほどたっぷりと流し込んだ和馬の精液だ。かまうものかと和馬は思った。気にせず舐めつづける。 そのうち、溢れ出してくるのは精液だけではないと知った。そしてほくそ笑んだ。
「ひああうううう、うは、も、もうやめて、やめてよおおおおっ!」



 一時間ほど経っただろうか。それとも二時間だろうか。あるいはもっとかもしれない。 作業に没頭していた和馬は時間など気にしていなかったが、ふと顔を上げて時計を見てみれば、もう夕方だった。
 時間などどうでもいいかと思い、中断した作業を再開する。
 オルガは、まだ鳴いていた。ただし、最初のころとは鳴き声の質が異なる。
「あんっ! んああああっ……はうん、やあ、んうっ……くはぁん!」
 甘い鳴き声。
「やああ……ひあ、あは、あはんっ」
 さきほどからずっとこの調子のようだ。と、和馬は思った。
 ベッドの横に向けて下半身を投げ出し、恥知らずにもカエルのような大股開きをやめないのは、余裕などないからだ。
 長時間の愛撫のすえに、オルガは明らかに快感を感じ、それに溺れきっている。股間から滴った愛液によって、床の畳には大きく丸いシミができているほどだ。
 もうそろそろいいだろうと思い、舌による愛撫をやめた。
 慣れない快楽を与えられ続けたことによってオルガの顔はリンゴのように赤く染まり、表情はだらしなくとろけきっていた。瞳は曇ったように光をなくし、半笑いのような口元からは涎がだらだらと流れている。
「えっ、えへ、えへへへえ……」
「気持ちよかったか?」
「は、はひ……よかったれす……うああ、もっ、もっとひへ、もっとしへえ……」
 肉欲によって理性は吹き飛び、正常な判断力など、もはやどこにもないようだ。
「もっと気持ちよくなりたいか?」
「あひ、はひっ」
 緩慢な動作で首を縦に振るオルガを見て、和馬は薄く笑った。
 まだまだ十分な精力をたぎらせているペニスを取り出した。それを見たオルガは、さきほどの破瓜の際の痛みを思い出したのか、顔を強張らせたものの、やめろとは言わない。期待していることは明らかだ。
 洪水状態となっている肉の薔薇にこすりつける。
 こすりつけるだけだ。けっして挿入しようとはしない。
「んうふ! うああ、あ、ど、どうしてっ……」
「どうしてほしい。言ってみろ」
「そんな」
「言えないなら、これで終わりだな」
 オルガの表情が、さっと絶望に染まった。
「言います! 言いますからあっ! そ、その、えっと」
 オルガはどのようなものが和馬を満足させる言葉なのか考えた。考えたすえに、腹に力をこめてこう叫んだ。
「ぶち込んでくださいっ!」
 破廉恥を極める一言だった。言ってしまってから、自分でもしまったと思ったほどだ。 和馬は思わず失笑を浮かべ、そのせいでオルガは泣き出した。声は出さずにぼろぼろと涙を流す。目をつぶってもあふれ出た。
 あまりにも自分がみじめだと思ったからだ。そして、そんなみじめな自分に向けられる冷たい視線を思い出していた。いつも感じていた知人どもの目だ。他人の視線は、いつでもオルガをみじめな気持ちにさせていた。他人とはいつでもそうだった。
 不意に、耳元でこう言われた。
「素直に言えたな。――かわいいぞ」
 えっ、と驚いて泣き腫らした目をあけると、和馬が優しく微笑んでいた。
 知らない目だ、とオルガは思った。そのような目で見られたことは、今までになかったがゆえに。
 このひとは違うのか、と思った。
 その思考を、突然の快楽が押し流す。
「ぅうううっ!?」
 通告もなく割れ目に押し入った和馬の剛直。
 和馬はオルガの細い腰を鷲掴みにして、体勢を整えた。
 先ほど男を知ったばかりのその体に、容赦のないピストン運動。
 それでも、オルガは感じていた。絶え間なく、切羽詰ったような嬌声が上がる。瞳からはまた涙が流れた。歓喜のあまりの嬉し涙であった。
 和馬は、ぬるぬるとして心地いい膣の、きつい締め付けを堪能しながら、何度目かのことを言った。
「気持ちいいか?」
「は、はひっ!」
「これからも気持ちよくなりたいか?」
「……え?」
 両者の動きが止まる。
 銀髪の少女は、なにを言っているのか、という顔で和馬を見た。
 和馬は、真剣だ。
「おまえには不幸な人生があった。それでおまえの罪が消えるわけはないが、おまえにも歪む理由があったのは確かだ。
だから殺しはしない。俺がおまえを監視する。もう二度と悪事を働くことは許さん。その代わり、俺の気が向いたときにはこうして気持ちよくしてやろう」
「あ……えと……は? その、それってつまり、あんたの性欲処理係?」
「まあ、そうなるかな」
「はあ!? なんですかそれは! んなの嫌にきまッうきゃううううんんっ」
 まったくの不意打ちで子宮の入り口をガツンと突き上げられては、どうしようもなかった。
「なるのか? ならないのか?」
「うぎ、ひっ、あはああっ!」
「なるよな?」
「っ、う、うあ、あ、あん、あんっ! わか、わかりまひたあっ! なります! なりますからあ!」
「なにになるんだ?」
「せっ――せ、性欲処理係ッ! あ、あんたの、あんたの専用のおぉぉぉっ!」
「いい子だ」
 満足げに笑った和馬が、腰の動きを素早くする。どうやらそろそろ射精するようだ。そしてオルガのほうも限界なのか、次第に声がどこまでも甲高くなり始めている。
 それほど時間を置かず、終わりはやってきた。
 舌を犬のように突き出したオルガは、限界まで仰け反り、絶頂。
「っ、い、いく、いくいくいくいぐっ、ひぐうううう――ッ!」
 和馬は無言のうちに達し、痙攣する少女の内部に白いマグマのような精液を放っていた。脈打つペニスは何度も何度も精を吐き出して、それからようやく静まった。
 果てたあとのオルガは、しばらく放心状態だった。おそらく生まれて初めて感じたのであろう、快楽の行きつくところなのだ。無理もない。
 だというのに、和馬はまたしても動き始めた。彼のペニスはまだ萎えていなかったのだ。これから満足するまで少女の膣で暴れようというのか。オルガもさすがに顔を青くする。
「あ、あっ……もう無理れすっ……」
「なにを言う。俺はまだまだ満足していないぞ」
「ああああ、やめへええっ……んひいぃぃッ!」
 和馬の部屋に響く物音と絶叫が静まるのは、翌日の朝日が昇ることになってからだった。


 どこかで犬がうるさくほえていた。
「ぬうううう……」
 一糸まとわぬ姿のオルガは、目が覚めたはいいものの、低く獣のような唸り声を上げた。だるかった。ひたすらに心も体も気だるかった。これほどまでにだるいのは、何年ぶりだろうか。忌まわしき病院生活時代でさえこんなことは稀だった。
 だが不思議と今朝――もう昼に近いが――は嫌な気分ではなかった。それがまたオルガに唸り声を上げさせた。なんなのだ、これは。心地いい疲労感とでもいうのか。
 腰が疲れている。特にアソコが疲労困ぱいだ。一晩に渡り酷使されたせいだと確信していた。ひりひりとして痛い。そして、まだ、なにかが入っているような気もした。そんな錯覚だ。 
 なにかがなにかといえば、隣で寝ているこの男の、憎たらしいモノなのだ。それがなによりも腹立たしい。
 昨夜はさんざんだった。なにがさんざんだったのか思い出したくもないほどに。
「やってくれやがりましたね……くそ……」
 半身を起こす。和馬はまだ起きる気配がない。
 腕を縛っていたネクタイは、荒々しい情事の最中に外れてどこかに消えていた。だから今のオルガは自由だ。どのようなことでも好きにできる。
 和馬はオルガと同じく素っ裸だ。武器の日本刀は、すぐに手にできるような位置にはない。無防備だった。
 それを理解すると、オルガの口元には邪悪な笑みが広がる。
(まったく、お馬鹿さんですねえ。くっくっく)
 敵の目の前でこれほどまでに油断するとは、完全に阿呆だと思った。こんな馬鹿にしてやられたのがまったく悔しくてたまらない。だがその恨みもすぐに晴れるだろう。焼くか斬るか潰すか千切るか悩みどころだ。
 そう――無防備だった。
 あの憤怒に燃えた復讐の鬼のような男の姿はどこにもなく、ごく普通の男がそこに寝ているだけだった。
「……ふん」
 毒気を抜かれて鼻を鳴らしたオルガは、なにを思ったのか、ふたたび横になって寝直した。ただし、今度は、和馬の胸板の上に頬を乗せている。抱き枕にしがみつくようだった。
 オルガには考えがあった。
(こんな油断しまくりの間抜け野郎、殺すのはいつでもできますね。だから、今はせいぜい利用してやりましょう。
 いまさら《ヘルファイア》には戻れないでしょうからね……任務に失敗したわたしを始末しようとする連中は、こいつに片付けてもらいます。
 くっくっく! なんて頭がいいんでしょうねえ、わたしってば)

 そう。そう考えた。それだけだ。この男を利用してやるだけだ。他意はない。
 そして、それに、こうして抱き着いていると気持ちがいいから抱き枕に任命してやろう、なんて思ったりもしていた。久しぶりに感じる他人の肌の暖かさは、本当に心地よかった。
 オルガがこう思ったのは、だから、だ。
(……まあ、しばらくはあんたのそばにいてやりますよ。……和馬……さん)
 ――いったい、いつ以来のことだろうか。
 ひとの温もりが、愛しいと思ったのは。
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