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セーザイン外伝―女戦闘員に惚れた男―

作者:初代スレ558氏
備考1:一般人男×女戦闘員
備考2:やや残酷描写注意

プロローグ

「なぁ、俺のどこがよかったんだ」
問う俺に、またかといった顔をしながらもニヤつきながら女は「顔がよかったから」と返す。
「そういうあんたは?」
俺は「胸がデカかったからだ……あと顔も結構好みだったからかな」といつもにプラスαして答える。
女は「お約束」である俺のセリフに怒ったフリをするつもりだったのだろうが、思いもよらない俺の言葉に、
「えっ……と何急に言い出すのよ、これ以上何も出ないわよ」なんて眼をそらし顔を赤くしながらいう。
「本当だよ……だからさ今日はたっぷりと心ゆくまでな……」
「はいはい、結局Hがしたいだけってわけ。いいわ、搾って搾ってお願いもう止めてって泣き出すまでヤってあげる」
ラボホテルの一室で、とんでもない大きさのおっぱいの持ち主はそう言って微笑んだ。
女の名前はカナメ……まぁ本名かどうかはわからないがな。

そんな可愛い俺の彼女は……明日になれば殺されるようだ――――

1.

男も女もナンパしたり、されたりすることが目的で集まってくるような、某駅の近くの変な記念像の前で、
その多くの若者の一人であった俺は彼女と出会った。タイトな服を着こなした女。
男の劣情混じりの視線だけじゃなく、女の羨望と嫉妬が入り混じった複雑な視線を、一身に受けている彼女。
それが顔じゃなく、歩くたびに揺れ動く大きさと形を両立させた爆乳に向いているってのは、
後で聞いた話だが、やっぱりちょっと複雑な気分らしい。
ただ、それなら胸を小さくみせたり揺れを抑えるようなブラをすればいいだけで、結構自慢ではあるのだろう。
なんせ、胸元を明らかに強調した服装なんだからな。
年は二十代半ば、顔はキツめだが悪くはない、ランクでいえば上の下くらいか。

まあ、そんな女が一人で歩いているってんだから、男たちは我先にとアタックをかけるわけだ。
まるでドラマをみてるような展開だが、ジャンルはコメディらしく次々に面白いように玉砕していく。
俺は声をかけるつもりはなかった。好みではあったが高嶺の花ってやつだ。
ああいう女は付き合うには金がかかりそうだし、
ちょっとHしたいだけだったからランクは落ちてもオトせそうなのを狙うつもりだった。

さて、もう少し落ち着いてから他の女に声をかけるべきか、それともあの爆乳女が注目を浴びている間に、
「あんな乳がデカい女興味ない、それより君と……」みたいな感じで攻めるかと思案にくれていたところ、
誘いを断り続けていた彼女と眼が合った……ああ、正面からみると顔も好みだなんて思いながらジッとみてると、
乳を盛大に揺らせながら、こっちに歩いてきた。そして俺の前で立ち止まると、こう言ったのだ。
「あんたでいいわ、顔がすっごく好み。どう、私とお付き合い願えるかしら。
 やるのはセックス。甘い言葉も洒落た店も必要ないから。三秒で決めて」
ちょっと痴女がかったデカ乳女の言葉に俺は呆気にとられつつ、首を縦にふった。




それから、ドロドロと溶け合うようなセックスセックスセックス。
あらゆる体位で、時にはH専用アイテムを使いながらのセックス……それだけの関係が続いた。いわゆるセフレってやつか。
カナメと名乗った女とのHの相性はバツグンだったらしく、彼女は最初の一回だけのつもりだったらしいが、休みのたびに会っている。
こちらとしても願ったり叶ったりで、彼女の肉感的なエロボディを存分に食べられるのだからこんなに美味しい話はない。
テクニックもどこで覚えたのか風俗嬢顔負けで、信じられないくらいのイカせテクで俺の息子を責めまくっている。
もちろん、俺も自分が女にモテるイケメンであることに気付いて以降、女を喰い散らかしてきた経験をフルに活用して、
彼女を何度も絶頂に導いたはずだ。関係が切れてないってのがその証拠だろう……

さて、ここまでなら淫乱な美女とお近づきになってHまでした俺の自慢話ですむ。
しかし、そんな旨いだけの話ってのはなかなかないもんで……カナメは普通のOLでもお水系のお姉さんでもなかったんだな。
なんていうか……馬鹿げた話だがいわゆる悪の秘密結社の戦闘員ってヤツらしい。


何を隠そう俺には超能力がある。制御もなかなかできないし、ホント何の役に立つのかもわからない非常に限定されたものだ。
一言でいうなら「触れた相手の二十四時間後がわかる」能力。
どこのギャグだと思うかもしれないが事実なんだから仕方ない。
未来視なんていやあ聞こえがいいかもしれないが、そんないいもんじゃない。
この能力に気付いたのは童貞を、当時都会に棲息していたヤマンバギャル(一応高校生)に奪われた中学生の時だ。
俺の視界が一瞬ブラックアウトしたかと思うと、眼の前の姉ちゃんが小汚いオヤジになっていて、そいつに俺が抱かれていたのだ


いや、正確には俺じゃなくてヤマンバな姉ちゃんが抱かれていたんだが……それがわかったのは後の話で、
驚いた俺は「ウワァァッ」って叫んで腕を突き出すと、そこにはやっぱりたいして可愛くもない貧相な身体の色黒女がいた。
結局場はシラけ、Hな気分なくなっちゃったなんていって二回目に突入もせずに彼女はどっかに消えていったのだが……

まあ、簡単にいうとだな。触れた相手の眼をつうじて、そいつの未来がわかっちまうのが俺の能力だってことだ。
つまりさっきの色々な意味での初体験を例にすれば、
次の日の同時刻にヤマンバギャルは援助交際かなんかで四十過ぎのオヤジに抱かれていたのが視えちまったってわけだ。
もちろん、このことを理解するにはかなりの苦労があった。最初、自分が狂ってしまったのかと思ったほどだ。
二十四時間後ってのがわかったのはつい最近の話で、たまたま相手の視線が時計をみていたからわかったことである。

まあそんなこんなで、結構な頻度で未来のヴィジョンがみえちまうので辟易していた。
それもHの時のような感情が昂ぶったときに能力が発動するから困りもの。はっきりいってセックスの邪魔にしかならない。
女のシャワーシーンとか着替え中だとかが視えたら余計に興奮するかもしれないが、
大体は何でもない日常であり、抱いた女が脂ぎった上司に怒られている場面なんてのが視えるとマジ萎えるわけで。
だからってHをやめるってのは俺にはできなかった。
顔がイイことぐらいしかない取り柄がない俺はヒモみたいな生活しか残されておらず、
ある意味Hは日々の糧を得るのに必要不可欠だったからな。
前置きが長くなった。そんなわけで、カナメと出会って二回目の時に超限定未来視が発動してしまった。
もちろん、くんずほぐれつの真っ只中。
フニャフニャのデカ乳を両手で揉みしだきつつ、その深すぎる谷間に顔を埋めていた時だった。


眼の前にみえたのは真っ赤に染まった死体。頭は原型をとどめずにひしゃげている。かろうじて人間で男ってのはわかる。
その元人間が動かなくなったことを確認したあと、視線は上をむく。そこに広がるのは一方的な惨殺空間。
肉体のラインがそのままに浮かび上がる黒のボディスーツに身を包んだ男女が繁華街にいるすべての人間を、
手に持った素手で、鈍器で、刃物で、そして銃器で思うがままに殺しまくっている。
人が殺されてるとこをみるのも初めてなら、そのできたてホヤホヤの死体をみるのも初めてだった。
吐き気をもよおしたが、我慢する。
もちろん、カナメの身体にゲロを吐きかけるなんていう醜態をみせないためってのもあったが、
それより何よりこのヴィジョンは明日の現実になるってこと。彼女の安否を確認するためにも視続ける必要があった。

結果からいうと杞憂だった。なんせ、カナメは被害者じゃなく加害者だったんだからな。
彼女の視線が次に捉えたのは泣きじゃくる女子高生。短いスカートの女学生の姿がどんどん大きくなる(つまり、近づいたってことだ)。
逃げようとする女子高生の足に鉄の棒を振り下ろされる。折れる彼女の足。
そのあとは……まあ、残虐の限りつーか鉄棒でめった打ちにして最初に視た真っ赤な死体の誕生ってわけだ。
次に腰に吊るしていた銃で続けてカップルの撃つヴィジョン。狙い通りなのか二人の頭が爆ぜてなくなる――もう限界だった。


「ハァハァハァッ」
「なぁに、どうしたの。息を荒げちゃって?私の胸で窒息しそうだったのかしら」
そういって優しく微笑むカナメの裏の顔は猟奇的な殺人者であることがわかり恐怖と同時に戦慄する。
「ああっ、ついつい息をするのも忘れてむしゃぶりついちまった」
なんとかその場は言いつくろったが、内心の動揺は隠せるはずもなく、その後は手で彼女を一度イかせたあと、お開きにした。



次の日、TVでニュースをみてカナメの所属する組織が、世間を騒がせているレギオノスという組織であることがわかった。
彼女たちは示威行動としてゲリラ的に街に出現し、無差別殺人をおこなっている。
政府が解体し、レギオノスの支配下におさまるまで続けられるなどという組織の声明として出されている。
これは日本に限ったことではなく、全世界、ほとんどすべての国家で起こっている非常事態である。
ただ、どの国どの街が狙われるかは不明で、確率的には宝くじに当たるようなものだと俺はたかをくくっていたのだ。
普通ならこんなテロ女との関係をご破算にするのがスジだろう。触らぬ神に祟りなしだしな。
警察に通報することも考えたが、レギオノスは警察程度では手に負えないほどの強力な組織らしく、
やぶ蛇になってはたまらないので、それもやめた。
結局、カナメがどういった存在なのかわかっても、俺は会うのをやめなかった。
彼女がその手を無辜の人々の血で染めているのを認めた上でなお、
カナメの俺に対する優しさと、その魅力的な肉体に溺れちまってたのである。
バカだと思うし、気が変わった彼女に殺られちまうかもしれないが仕方ないと思った。
なんていうか……何をしても生きたいほどにこの世に未練てヤツもなかったしな。


会うのが十回目を越えた頃からHだけじゃなく、食事やショッピングなんかも一緒にするようになっていた。
セフレからちょっとした彼氏・彼女の関係になったと浮かれたりもした。
相変わらず、未来視で地下室の拷問だとか時限爆弾っぽいのを仕掛ける場面だとかとんでもない光景をみせつけられていたが、
人間の慣れとは怖ろしいもので、それが特撮か何かの一場面くらいにしか思えなくなっていた。
彼女の大犯罪を知っているのに何もアクションを起こさない俺も同時に罪深い存在だとも思ったが、どうでもよかった。
刹那的に生きるのが俺の心情である。ぶっちゃけていえば、知らぬ他人がいくら死のうと関係ないとさえ思っていた……

2.

そんなある日、今日は昼にHしてから夜はデートにしようというカネメの提案を受け入れてラブホテルに入った。
いつものようにカナメと濃厚なセックスに耽っている時に視界がいつものごとくブラックアウトし、彼女の眼となった。
凄惨な光景であることに変わりがなかったが、今回は害するものと害されるものが逆転していた。
レギオノスの十数人もの戦闘員たちが男女の区別なく、ただ平等に殴られ蹴られ殺されていく。
青い光沢のある生体的なボディ、どこか往年の特撮ヒーローを思い起こさせる一人の男が武装した戦闘員たちを屠っていく。
銃も刀もその男には効かない。必死の形相で戦闘員たちは撃ち、斬り、突いているが男は構わずに近づき、
致命傷となる一撃を頭に、胸に、腹に、股間に冷徹に打ち込んでいく。
男の一撃は頭を砕き、胸を陥没させ、腹を貫き、股間をつぶす。
そしてやられた戦闘員たちは倒れこむと同時にグジュグジュに溶け、ついには白い泡だけとなる……
噂では聞いたことがあった。警察も軍隊も敵わないレギオノスと戦う男がいると。
人間狩りの時にこの男に救われた青年がTVで興奮覚めやらぬ中、その活躍ぶりを熱く語っていたことを思い出す。
世界中にあらわれるレギオノスにたった一人で立ち向かう男。世界中で「HERO」と呼称されている謎の男。

ああ、そうなのだ。因果は巡る。あれだけの罪を犯したレギオノスを許さず断罪する存在がいてもおかしくはない。
本当に特撮の世界だけじゃなく、悪を滅ぼさんとするヒーローってのが現実にもいたってわけだ。
そしてHEROが裁くのは悪、それはカナメも例外ではない……
彼女は最後だった。仲間たちが例外なく消滅したあと動転して視線がフラフラと定まらない彼女にむかってHEROはやってくる。
何人もの罪なき人々を叩き殺してきたカナメ愛用の鉄棒がHEROの肩に振り下ろされる。
男はピクリとも動かない。そして鉄棒を振り払うと、そのギラギラと滑光る青い拳を彼女の左の乳房に突き入れた。
何度揉んでも飽きない、彼女の弾力と柔らかさを兼ね備えた大きな乳房が大きくへこみ潰れるのが眼に飛び込んできた。
間髪いれず、今度は右の乳房をHEROは握りつぶした。
のたうちまわっているのだろうか。カナメの視界に高層ビルと雲ひとつない青い空をむいた。
それがHEROのものと思われる足裏で覆われたかと思うと……ブラックアウトした。
それからは彼女の眼は何も映さない。俺は鈍感じゃない、そのことが示す意味を理解してるつもりだ。
「ねぇ、ねぇったら」
「あ、ああ……」
「ケンジってさ、時々Hの最中にボーッとする時があるよね。何で、まさか他の女の事考えてんじゃないわよね」
俺は突きつけられた非情な現実に放心していたが、ジーッと俺の顔を覗きこんでいる彼女がすごく愛しくなって抱きしめた。
「な、なによ突然っ」
「好きだぞ、カナメ」
「バ、バカじゃないの。何言ってるのっ。私のあなたの関係はH友達に毛の生えたものよ。それ以上にはならないわ」
俺の手を振りほどいて抱擁から逃れるとむくれて睨みつけるカナメ。
けれど、その表情をみればその言葉が本気じゃないことはわかる。
そんな彼女に対し「なぁ、俺のどこがよかったんだ」と問う。いつも繰り返されてきた会話。
またかといった顔をしながらも、顔をニヤつかせた彼女は「顔がよかったから」と返す。
「そういうあんたは?」
俺は「胸がデカかったからだ……あと顔も結構好みだったからかな」といつもにプラスαして答える。
カナメは「お約束」である俺のセリフに怒ったフリをするつもりだったのだろうが、思いもよらない俺の言葉に、
「えっ……と何急に言い出すのよ、これ以上何も出ないわよ」なんて眼をそらし顔を赤くしながらいう。
「本当だよ……だからさ今日はたっぷりと心ゆくまでな……」
「はいはい、結局Hがしたいだけってわけ。いいわ、搾って搾ってお願いもう止めてって泣き出すまでヤってあげる」
「ああ、悔いなんてこれっぽっちも残さないくらいに……」
「今日なんか変だよケンジ、大丈夫?」
「心配してくれんのか、なんか嬉しいな。大丈夫だよ、カナメ」


そういって彼女の赤い口紅が塗られた口唇にキスをする。舌の挿入。カナメもそれに応じて舌を絡ませてくる。
「んんっ」
いやらしく鼻息を漏らしながらディープな舌と舌との絡み合いは続く。いつものことといえば、いつものこと。
しかし、そこには俺は心からの愛をのせていた。認めたくないが惚れていたんだろう。どんなに悪い女だろうとな。
長いキスが終わる。
「やっぱりケンジってキス上手いよね。キスだけでアソコをこんだけ濡らしてくれる人って初めてだよ」
「そうかい。そいつは光栄だね」
今度は右手を左の乳房へと持っていき、すくいあげるように揉みしだく。
フニャリと柔らかく形を変えるそれは俺の手には余るほどの大きさである。
「ふあぁっ」
こんな柔らかくて大きなおっぱいが明日、HEROによって陥没させられるのだ。
あのHEROと呼ばれる男は非道の悪とはいえ女を殺して何も思わないのだろうか……
いや、何百何千何万人という何の咎もない人々を、
ただ世界征服などという野望のために殺す集団に同情の余地はないのかもしれない。
それでも、俺は彼女に死んで欲しくないと思う。
手で乳房をこねくりまわしながら、彼女の桜色の乳首を舌でコロコロと転がしたあと口をすぼめて赤子のように吸いこむ。
「ヒャン、すごひぃ、今日なんかいつもよりすごいっ、ヒャァァッ」
喘ぐカナメ、俺は左手で彼女の右乳房も責めはじめる。優しくゆっくりと慈しむように揉みあげる。
いつもみたいにキツく揉むなんてことはできなかった。
グシャグシャに握りつぶされてしまうのを眼に焼き付けてしまっていたからだ。
「フワァァッ、ちょっと、いつもと違うっ、けどイイよぉっ、アァンッ」
歯で乳首を甘噛みする、小さく跳ねるカナメ。
「ハァァァ、ああっ、おっぱいだけでイっちゃいそう……もうダメ、今日はちょっと先に一回イカせてもらうね」
そういった彼女の手が自分の股間へと伸びていき、秘所に指を二本入れ込む。
「んぁぁっ、めちゃくちゃ濡れてる。すごいよぉぉっ、フアァァン、クリちゃんもピクついてるぅっ」
クチュクチュと卑猥な音を立たせながらも彼女は自らを慰めている。
俺は必死で二つの乳房を揉み、弄り、勃起した乳首を吸い、つまみ、こねくりまわす。
「ダメェェ、今日は早いなんでだろうっ、こんなの早いはじめてだよぉっ、ヒィィィヒァァァァァッァァァッ」
指の動きが速くなったかと思った矢先であったが、カナメは早々にイってしまったようだ。
彼女の可愛げのある顔がエロく歪んで恍惚の表情をつくっていた。

「ハァァ、すごかったよぉっ。何でだろうね。ケンジが私の顔を好きだっていってくれたからかなぁ……」
こっちが赤面しちまうようなことを平然と言うカナメ。それは彼女も同じだったらしく、
「あ、いや今のなしね……けど、今日なんかどこまでもイけそうなのは確かね、
 そうだ、私だけが先にイッちゃったお返しに特別に胸でやってあげよっか」
「え、いいのか。おまえ嫌がってたじゃないか。自分が全然気持ちよくないからヤダって」
「せっかく、そんな気分になってたのに。どうなの今しかないよヤるの、ヤらないの?」
「いや、もちろん。そのお願いします」
こんな胸で息子をシゴかれたらどうなっちまうんだろう。彼女をみた男はそんな妄想にとりつかれるはずだ。
けれど、カナメはパイズリを一回もやらせてくれなかった。さっき俺が言った理由だけじゃない気もしたんだが。
「胸が大きいのは自慢だけどね、胸しかみない男もしょうがないと思うけどね、
 それでもチンチンを挟ませろなんて言われるのは、なんか本当に胸だけで後はいらないみたいに聞こえて嫌なのよね」
しかし、これも顔を好みだっていったおかげなんだろうか。
なんつーかいまさらすぎて照れくさくて言えなかっただけだったんだが。
「ホラホラ、気が変わらないうちに出しなよ。今さら隠すもんでもないでしょ」
もちろん、俺もパイズリは魅力的だった。いわれるがままにパンツを脱ぎ捨てると俺はすでに勃起していた息子をとりだした。
「もう、準備は万全ってわけね。じゃあ、ちょっと濡らしておこうか」
そういって躊躇なく俺のいきりたったモノを口に咥え込む。
「ンン……チュバンァアァ……クチュリ、チュパッンプッ」
カナメのフェラはかなりの上手さで何度もイったことがある。
その絶妙さで思わず暴発してしまいそうだったが、限界がくる前に滑光る俺の息子は解放された。
「フフ、さあ天国に連れて行ってあげるからねっ」
谷間に沈み込む俺の男根。それなりに大きな息子であったが、カナメの爆乳には敵わず、すっぽりと包み込まれてしまう。
襲いくる乳房の柔らかな感触。散々自分の手で堪能していたはずなのに、息子を通して感じるそれはまた違ったものに思えた。
「じゃあ、いくよ。いつでもイっていいからね」
カナメの両手が外から乳房を持ち上げると内にむかってフニュゥゥゥゥッと力を加える。
丸かった乳房が、いやらしく変形し俺の息子への圧力を増す。
「タマラんな……」
思わずつぶやく俺、その直後に彼女のパイズリが開始された。
柔らかさの中にも若さあふれる弾力感に富んだ乳房がカナメの手の動きにあわせてゆっくりと上下に動き始める。

「ンンッ、どう気持ちいいかな」
「ああ、すごいよっ」
膣にくらべたら圧迫する力は大したことがない。
けれど、大きなお乳が形を変えつつ俺のものを挟みつづけているという視覚的効果、
彼女自身が嫌がっていた胸でシゴかれるという行為を俺のためにしてくれているというのがスパイスとなって、
そして何より、この乳房が明日には無惨にも喪われてしまうという未来が俺を異常なまでの興奮状態に押し上げていく。
俺は乳房を持ちシゴき続けるカナメの両手に重ねるように自分の手を添えて、リズミカルな乳の動きを調節する。
「フワァァッ、そっか、こうすればよかったんだンンッ。ケンジにおっぱい触られると私も感じるし気持ちいいよっ」
俺の手は彼女よりひとまわり大きいので、結局俺自身が彼女の乳房に触れていることになるのだ。
どんどんと自分の息子をシゴく乳房のスピードを速めていく、上下の運動だけでなく円を描くようなアクセントも加えて。
「クゥッ」
「いいよぉっ、ンァァッ、これ結構イイかもっ、もっともっと動かしてよ、強く、強くぅぅぅっ」
カナメの顔がせつなげに歪む。ああこいつを失うのは絶対に嫌だ。クソクソクソッ、もう限界だった。
「出すぞっ」
最後にギュゥゥゥッと搾り込むような形に乳房を歪ませて、俺は達してしまう。
ドピュドピュッと勢いよく飛び出た白濁の液が彼女の乳房や顔にかかる。
「フフフ、イっちゃったね。勢いもすごいねぇ。まだまだ楽しめそうっ」
そういいながら、乳房から手を放して、その手の甲あたりで俺の精液を拭う。
放した瞬間にブルルンッと揺れ動いた乳が何ともイヤラシイ。

「で、私の胸でイった感想を教えて欲しいな」
「ん、ああ最高だったよ。本当にカナメは誰にもやれないくらいに最高だ……」
その言葉にまたも赤面するカナメ。
「ねぇ、やっぱりケンジおかしいよ。嬉しいけど、いやダメ、私はそういった関係になれないんだよ」
なんかちょっとベソをかいたような感じでカナメは言う。
「すまない、まあ気にしないでくれ。さあ、次はどうする……」
「えっとね、うーん私最初は上で動きたい気分かも。いいかな」
「ああ、好きにしてくれ」
俺は心で決心していた。刹那主義で日和見主義な俺は今日で終わりにしようと。
ベッドで横になった俺に、カナメは跨ると半勃起にまで萎えてしまった俺の息子を手で器用にコキはじめた。
シュッ、シュッと小気味良く俺の男根をこすりつつ、もう一つの手で自分の股間を弄くりまわしている。
「アァンッ、なんかまたスグにイッちゃいそうだよ。なんでかな、私も今日なんか変だね……」
二分も経たないうちに元気をとりもどした俺の男根。カナメの秘所も十分に濡れそぼっている。
「じゃあ、挿れるよ……ンンッ、アアァァァァァァッ」
あったかい膣の中でギュウゥゥゥと俺の息子は締め付けられる。やっぱり胸よりはるかに窮屈で気持ちがいい。
「動くよっ、ケンジもどんどん私を突き上げてね。ハァアァンッ」
彼女が上下に肉と肉のぶつかりあう音を響かせながら動く。
タプンタプンとボリューム感のある爆乳が彼女の動きにあわせて、どこまでもイヤらしくブルブルと震えつつも揺れ動く。
俺もされるがままではなく、腰を使って彼女の望み通りに突き上げる。
「ヒギィィッ、ヒァァァ、子宮口が小突かれてる、ズンズンきちゃってるぅっ、もっと激しく激しくしてぇぇっ」
快感に喘ぎ、悶えつつも彼女自身の動きもどんどんと激しくなっていき、
乳房の揺れもそれだけで世の男が何十人も果ててしまいそうなほど、エロティックに扇情的に揺れる。
俺も興奮しカナメを力強く小突き上げる。ギュウゥゥギュウゥゥと膣がどんどん俺の息子を締め上げていく。
「ああ、もうイっちゃいそう。ねぇっ、今日は中でいいから出して、ドクドクって私のアソコに注ぎこんでぇぇぇぇぇっ」
俺もすでにいつでもイってしまいそうな状況だった。
ああ、好きだよカナメ。最初はヤれたらいいなんて思ってただけなんだが、どうにもおまえに狂っちまってたみたいだ。
「そろそろイクぞっ」
「うん、来てぇっ、私もンンッ、すぐだからぁっハァァァン、もうすぐだから……フヒャァァァァァァッ」
あまり同時にイクなんてことはなかったが、今回ばかりは同時に果ててしまった。
ドクドクと彼女の膣内を俺の精液が満たしていく……まだ、これで二回目。
今日は抱いて抱いて抱いて、抱きまくってやる。カナメおまえがやめてっていってもそれでも抱いてやるからな……

3.

結局、思いつく限りの体位で俺が10回、彼女が12回イったところで終わりだった。
もちろん、今までの最高記録だ。そのあとは、かなり疲れていたがショッピング、高層ビルで夜景をみながら美味しい食事と、
結構ベタなデートコースをまわってお別れの時間となった。けれど、これを永久の離別には……絶対にさせない。
「ああっ、楽しかったぁ。今までで一番だわっ。なんかHもすごく燃えちゃったし……最高だった」
「俺もだよ……本当に楽しいし、時間が過ぎるのがこんなに惜しいと思ったことはなかった」
「……ねぇ、私と会うのこれでやめにするとか……なんか変なこと考えてない?
 恋人にはなれないけど……この関係は続けたいと思ってるんだけどな」
心配そうな表情をつくってカナメは俺をみつめる。
「何を考えてんだよ。大丈夫だ。
 俺はおまえがどこかに行ってしまおうとしても追いかけようかなって思うくらいなんだからな」
「うわぁ、なんかキザぁっ。しつこい男って嫌いなんだけどな。うん、けどケンジなら許しちゃうかも」
そういって笑うカナメ。俺はどんな表情を浮かべてるんだろうか……きっちり顔はつくれてるのかな。
「あのさっ、明日って仕事休めないかな。明日だけでいいんだ。
 こんな我が侭はこれから言わないから。俺と会ってくれないかな……」俺の懇願に彼女は急に真剣な表情をつくった。
「仕事とかそういうプライベートにはお互い突っ込まないって最初に決めたよね。そういうの言って欲しくないな。
 それに……私の勤めてるとこってそういうのすごく厳しいのよね。急な休みなんて許してくれるはずないわ……」
「……そっか、すまない。悪かった。じゃあ今度はいつ会えるかな」
失敗、やっぱり未来ってのは変えられないのか。カナメが明日、どこかの市街地でHEROと対峙するのは確定事項のようだ。
「うーん、明日は確か……。そうね、どうしても明日会いたいってのなら夜の十時以降なら大丈夫かも」
涙がこぼれそうになった。もうその時にはこいつは死んでしまってるんだ。
多分、こいつの仲間と同様に影も形もなく、グズグズに溶けてな。
「せっかく、無理して時間作ってあげるって言ってるのに嫌なの?」
答えない俺に、カナメは少し怒り気味だ。
「いやいや、めちゃくちゃ嬉しいよ。今までそんなこと言ってくれたことなかったから……嬉しくて呆気にとられてたんだ」
「本当に今日変よ。熱でもあるんじゃない。あ、それから約束して欲しいことがあるの。
 明日は○△駅とその周辺には絶対に来ないこと。仕事がその近くであっても休みなさい。
 何でって、なんか、えっと……そうね、うん嫌な予感、女の勘ってヤツよ」
ここから三つしか離れていない駅の名前を言うカナメ……一筋の光明が射した。
そうだ、未来視でみたあの風景にどこか見覚えがあると思ったら○△駅から少し離れたところにある繁華街のメインストリートだった。
「わかったよ。俺の仕事場はそこじゃないし、うん、明日は近づかない。約束する……」
「よろしい。じゃあね。明日夜の十時にいつものとこで。一時間くらい遅れても待っていなさいよ」
そういって投げキッスをすると振り返りもせずに街の雑踏の中に消えていった……

まだ神様は見捨てちゃいない。人生に一回くらいは命を賭けても罰はあたらないだろう。
そんなことを考えながら、俺も帰途についた……

明けて次の日。
俺はできるだけ動きやすい服装を選んで、○△駅の隣の駅に降り立った。
武器はなし。どうせレギオノスの戦闘員にも、HEROにも通用しない。
計画は一応立てたが、結局リスキィなものしか思い浮かばなかった。
俺にとってはレギオノスもHEROも味方たりえないのだから。
レギオノスの無差別テロ「人間狩り」がおこなわれ、そして少し遅れてHEROが登場するってのが今日の流れだろう。
昨日視たヴィジョンには一般人の死体も結構あったしな。
そうなのだ。あまり近づきすぎるとレギオノスの「人間狩り」に巻き込まれてしまうのである。
はっきり言ってそんなので人生に終止符を打っては無駄死にもいいところだ。
突入のタイミングはHEROが登場し、戦闘員たちを殺してまわるその時だ。
昨日の未来視で捉えた映像ではカナメは最後に殺されていたのが救いである。これが一人目とかだったらもうどうしようもない。
問題は正確な時間がわからないことだ。昼の二時前後という漠然としか覚えていないことが悔やまれる。
しかし、なるようにしかならないと腹を括り、
惨劇が繰り広げられるであろう場所が目視できるデパートの屋上で待機することにした。


午後一時四三分。一般人のフリをしていたであろう戦闘員たちがその服装を脱ぎ捨て黒いボディースーツ姿になり、
一般人への殺戮を開始した。遠目にみても現実とは思えない光景だ。そして、彼らのやっている行為は最悪といっていい。
そんな奴らの片棒を担いでる女を助けようっていうんだから俺も焼きが回ったもんだ。
デパートをエレベーターで降りる。まだここにいる客たちは近くでおこなわれている虐殺に気付いていない。
パニックに巻き込まれる前になんとしても近づく必要がある、あったのだが、しかし、それは難しかった……
デパートを出ると逃げ惑う人々の群れがこっちに押し寄せてきたからだ。この流れを逆流して近づくっていうのは少し骨だ。
しかし、迷っている暇はなかった。人の波を避けつつも走る俺。


思ったよりも時間はかかったが、なんとか抜け出ることができた。
そして眼の前に広がる光景は昨日視たものそのままの、HEROによる戦闘員たちへの裁きであった。
ここまではまったく昨日の未来視と同じ。
ここに俺がいるってこともカナメの視界には入らなかっただけで既定の事項なのかもしれない。
俺は面倒くさがりで、探究心ってのもないために視えた未来をどうこうするっていうアクションを起こしたことがなかった。
だから、俺の視たのは変えられない未来なのか、それとも変更可能なのかは全く未知の領域だ。
いくつかのタイムトラベルを扱ったSF小説が思い浮かんだが、
何故かどれもこれも運命は変えられないっていう設定ばかりのもので気がめげた。
しかし、やるしかない。カナメを救えるのは思い上がりかもしれないが、俺だけだ。
レギオノスへの容赦なき正義の鉄槌は進行中。もちろん、誰も俺なんて気にかけていない。
誰もがHEROに視線をむけている。俺はカナメを探す……あいつも違う、こいつも違う……いた。
街路樹の幹に隠れていやがる。いつもあんだけ愉しそうに人を殺してるくせに結構弱虫なんだな。
あいつが最後まで生き残っていたのはこれが原因だったのか、まああいつのヘタレぶりに感謝だ。
しかし、やっぱり胸がデカい。肉体のラインを浮かび上がらせるスーツを着てるせいだろうか、裸よりエロチックだ。
余裕で間に合うと安心していた俺がそんな感想を抱きつつも彼女の元へと走ろうとした矢先……足首を掴まれ盛大にこけた。
「ううっ」それはHEROに腹をぶち抜かれた戦闘員だった。もがき苦しみながらも何かにすがるように俺の足を掴んだのだ。
「離せ、離せよっ。時間がねぇんだ。さっさと死ねよ」
必死で戦闘員の顔に蹴りを放つ。しかし、しぶといのかなかなか死なない。こんなところで手間どってる暇ねぇんだよ。
ふと眼を横にやるとナイフが落ちていた。仕方がない。俺は思い切り男の手首にナイフを振り下ろして切断した。
肉を切り裂く感触。本当にタマらなく嫌だ。こんなのを好きでやってるカナメはやっぱ狂ってるのかもしれない。
けど、惚れちまった弱みだ。そういう倫理とかその他は時間のある時に考えればいい。
俺の一撃がとどめになったのがグズグズと溶け始めた戦闘員を尻目に俺はカナメにむかって走った。
畜生、手間取りすぎたあいつしか戦闘員はもう残っていない。
HEROが彼女の存在に気付いたのかゆっくりと彼女に近づいていってる。
ああ、ギリギリだ。ホントすげぇタイミングだ。
俺は二十越えてからこんなに走ったことはないってくらいの全速力でカナメにむかって走る。
「やめろぉぉぉぉっ」
叫ぶ俺、カナメは鉄の棒をHEROに振り下ろした。あと数瞬で彼女の左乳房でHEROの拳がめり込んじまう。

「うぉぉぉぉっ」掛け声とともにジャンプ。そのまま飛びかかるような形でカナメにむかってダイブ。
「キャッ」そんな可愛い悲鳴とともに俺と一緒に転がるカナメ。一瞬違いでHEROの拳が空を切った。

未来は変わった。しかし、まだそれだけだ。ここからが正念場。
「おい、逃げるぞ」
「え、ケンジっ、何でここにいるのよっ。バカバカバカッ、来るなって言ったじゃない。約束はどうなったのよ」
俺を怒る前に助けられたことに感謝しろよ。そんな風に思いながらも必死で立ち上がる俺たち。
しかし、そこには仁王立ちするHEROの姿があった。
「おまえは何だ、レギオノスの仲間か……違うならどけ。仲間だというなら容赦せん。この女と一緒に死ね」
ああ、失禁そうなくらい冷たい声だこと。あんたのやってることは間違いなく正しい。
レギオノスなんて生かしてちゃいけない。それはわかってるが、今回ばかりは曲げて欲しいんだ。
どう答えたもんかと悩む俺の首をグイっと後ろからカナメの腕が絡まりついた。
「こいつは何も知らない一般人よ。私が色仕掛けで騙してただけ。
 フフッ、とんだ儲けものだわ。私を案じて助けに来るなんてね。
 さぁセーザイン、こいつがどうなってもいいのかしらっ」
セーザインと呼ばれたHEROは何も話さずにジッと俺たちをみつめ続ける。
「そうねぇ、私を見逃してくれたら、こいつの命は助けたげる。どぉ、いい案でしょ……」
グイグイと俺の首を締め付ける。いつものカナメとは違う、すごい力だ。
レギオノスの戦闘員はサイボーグって噂は本当だったのか。しかし、俺は喋れない。本当に何を考えているのやら。
「……青年、あきらめてくれ。ここでこいつを見逃せばまた何十人もの犠牲者が出てしまう。
 おまえの仇はとってやるから、恨むなら恨んでくれていい……」
なんてクールなHEROなのか。人質が効かないなんて……そこいらの特撮ヒーローと結構ギャップがある。

「ごめんね、やっぱダメみたい。あんたのこと本当に好きだったよ」そう耳元で小声で囁くと俺を解放するカナメ。
「観念したか……レギオノスの戦闘員にしてはいい心がけだ。楽に逝かせてやるよ」
「頼むわ……痛いの苦手なのよ」そういってカナメは眼をグッとつぶる。
こんなに必死に悪の手先を守ろうとするのは誰も許しちゃくれないかもしれないが、
もう誰に許されなくてもいい。俺は俺だ。そう心に決めてカナメの盾になるように、HEROの前に立ちふさがった。
「何を考えている。こいつはおまえを利用していただけだぞ。こいつらがどんな奴らか知っているだろう」
「ああ、知ってる。今回あらためて知った。けど、好きなんだよ。こいつが許せないことをしてんのはわかった。
 最悪だ。死んだほうがいい。こいつを殺したいやつなんて何千人もいるだろう。けど、好きなんだ。
 騙されてたってことも承知の上だ。頼む今回だけでいい、我慢ならないなら俺の命をやろう。だからっ……」
HEROは「やれやれ」とでもいうかのように首を小さく振る。
「とんだ茶番だ。いいだろう。おまえが責任を持て。今回だけは見逃してやる。
 女、もし次にまだレギオノスで同じようなことをしているなら、簡単に死ねると思うな。
 今日の分を加えて、死んだほうがマシと思えるくらい責め抜いたあとに殺してやる」
それだけいって、HERO―セーザイン―は風のようにその場から走り去った。




「た、助かったぁぁぁっ」
腰を抜かして尻餅をつく俺。振り返ってカナメに微笑む。
「どうだ、俺、格好よかったろ?」
カナメは眼に涙をいっぱいにためて苦笑いを浮かべていた。次の瞬間、ガバッと勢いよく俺に抱きついてくる。
「本当にバカなんだからぁ。ごめんね、ケンジ。ごめんね」
そういって泣きじゃくるカナメを、俺は身体ごとむきなおって抱きしめる。
「はいはい、わかったわかった。とりあえず、ここじゃなんだから逃げるぞ。これからは世間すべてが敵だからな」
「うん、そうだね。本当にこんな私でごめん。けどね、私のこれからは全部ケンジにあげるから、だから許して」
愛しくて愛しくて、タマらなかった。だから、あと一分くらいは世間様も見逃してくれるよな。
そんなことを思いながらキツく、もう離さないように、どこかに行ってしまわないようにと願いながら彼女を抱きしめつづけた……

エピローグ

なんとか、あの場を逃げおおせた俺たちはお互いに正体や能力を明かしあったあと、二人で暮らしはじめた。
といっても、定職についていない俺が住んでいた六畳一間の安アパートでの質素な生活である。
カナメをあの時に死んだとみせかけて、組織から抜けさせたまではよかったが、
戸籍はないわ、お金も服もなく、所持品は彼女が着ていた黒くてエロいボディスーツしかないわと前途は多難である。
ちょっとヤバい仕事に手を染めていた時期もあり、裏にも顔を多少は効くので金を貯めたら、
まずは彼女の戸籍をどこかからか買い取ろうと思っているがそれはまだまだ先の話だ。

「ねぇ、仕事は決まった?」
「いや、やっぱフリーター生活が長いと厳しいね。手に職もないし、あるのは顔だけみたいな」
「バカッ」
そんなたわいのない会話をしながらも、それなりに楽しい生活を続けている。
相変わらず、レギオノスは世界征服をするべく暗躍しているし、
HEROであるセーザインはたった一人で孤独に彼らに戦いを挑んでいる。

そして、俺たちも……
「まあ、仕事探しは次に期待するとして……ねぇ、今日もするんでしょっ」
「ああっ、もちろん」
H、Hの毎日である。まったく飽きもせずにと思うかもしれないが実際に飽きないのだから不思議なもんだ。

カナメには罪を償わせないのかとかいう奴もいるかもしれないが、俺の知っちゃことではない。
俺は品行方正な人間でもなければ、法の遵守者でもない。ありきたりな倫理観など犬に喰われてしまえばいい。
俺が彼女を愛していて、彼女が俺を愛してくれてるっていう事実だけが重要だ。
いつか、報いとして彼女が罰せられる時が来るというのなら、俺も同罪ってことで裁かれよう。
しかし、それは多分まだ先のこと。今はこの蜜月を満喫することだけに没頭することにした。


電灯をカナメが消す。暗闇に浮かび上がる白い彼女の素肌。とろけそうなほど甘くて長い夜がいつものように始まった……


                                                                           了
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