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宇宙刑事ブレイダー×悪の組織ジャドーのエルメス将軍

作者:6‐659氏
備考1:ブレイダー×エルメス
備考2:ファミリーコンピューター用RPG「SD刑事ブレイダー」より

地球征服を企む悪の秘密結社ジャドーは、宇宙植物を使った作戦を展開していた。
パートナーのミリーを攫われた宇宙刑事ブレイダーは、惑星ベムラスの宇宙人、ポプリンと共に
この作戦の指揮官、エルメス将軍を倒し、ミリーを助け出すために東京ドームへと潜入。
襲い来る怪人達を倒しながら、遂にエルメスと彼女に操られている最強の宇宙植物ベムレシアンのところまで辿り着く。


ミリーが人質に取られて身動きができなくなったところを、謎のヒーローサスライマンが彼女を助け出す。
サスライマンが助け出してくれたミリーを、彼に任せて先に脱出させ
「グヒョヒョヒョ、コンドハニガサンゾ」
と言って、毒ガスを吐き出しながら襲い掛かってきた宇宙植物ベムレシアンを倒したブレイダーは
ジャドーの大幹部、ジャドー四将軍の紅一点、エルメス将軍と対峙する。
「ええい、この役たたずめッ! いいわ、私が相手になるわ…ブレイダー勝負よッ!」




熾烈を極めた激闘の末にブレイダーはエルメスを倒した。
ポプリンが弱っているベムレシアンに近づき、「故郷のの星に帰ろう、ここはお前の住める星じゃないんだよ」と
ベムレシアンを説得する。
ポプリンの説得を受け入れたベムレシアンは、「ベムラス、ワレワレノホシ…ワカッタ、オレフルサトニカエル」
そう言うと、ポプリンとベムレシアンは惑星ベムラスへと帰って行った…

残されたのはブレイダーとエルメスだけ…彼は地に倒れ伏す彼女を見る。
ブレイダーは最後の一撃のとき、僅かに手を抜いた為に彼女はまだ生きていた。
しかし大人しく逮捕されずに、従わず抵抗した彼女には、銀河連邦刑法第2条による処分…処刑が待っている。
執行者は自分…ブレイダー自身である。だが、先に処刑した同じくジャドーの幹部、テッケンダー将軍とは違いエルメスは女…
何も考えずに刑を執行するべきなのだが…非情になりきれないブレイダーは、せめて女としての最後を与えてから処刑することにした。


もう体力も気力も底を突き、グッタリしている彼女を抱き起こして、ブレイダーはこれからすることをエルメスに告げる。
「…エルメス、俺は今からお前を……君を抱く」
「………どう…して…」
訳がわからない…どうして自分を抱くのか?弱々しく疑問を口にする彼女に、非情な宣告をするブレイダー。
「……俺は、銀河連邦刑法第2条により…君を処刑しなければならない」
「…………」
彼女も分かっているのだろう、それには答えず黙って聴く。
「だが君は女だ……俺は、君をただの悪人として裁くのではなく……女として逝かせてやりたい」
そこまで聴くと、エルメスは渇いた笑い声を上げてから口を開く。
「…何を…言うかと…思えば……とんだ…偽善者ね…」
侮蔑するかのように、エルメスは続ける。
「…それは…贖罪のつもり?…罪悪感を……軽く…するための…」
「………」
今度はブレイダーが黙って聴く。
「…それとも……ただ…私を…欲望のままに…抱きたいだけ…なのかしら?……どちらに…しても……お笑いね…」
男が女を抱くなど、愛以外ではそんな理由しかないだろう…正義の宇宙刑事といっても所詮はそんなもの…
そう考えながらもエルメスは思う。
もし、彼の口にしたことが本当ならば…それこそ偽善者だ、と…

「………君は、俺が出逢った中で一番美しい女性だ。欲望のままに、と取られても仕方がない…」
冷たい印象を与える整った容姿に、太腿まで届いている艶のある長い髪、手に納まらないだろう豊かな胸に括れた腰。
そんな彼女はとても色っぽく、こんな状況と立場でさえなかったら良き出会いだっただろう。
「…あら…一番は……貴方の…パートナー……では…なくて?…」
彼女が嫉妬した相手…ミリー。
自分よりも美しいと自身で認めてしまい、それ故に(自分よりも美しい者は許せない)と思い、殺そうとしたブレイダーのパートナーの女。
「……ミリーは確かに綺麗だけど、そういう目で見たことはない。…あくまで同僚だ」
「………………いい…わ…冥土の…土産に……気持ちよく…して…もらおう…かしら……偽善者…さん…」
それなのに彼は…ブレイダーは私を一番美しいと言った…ならば、人生の最後に…この偽善者に抱かれるのも良い…
そんな思いが過ぎるエルメス。
「……偽善なのは分かってる……それでも…俺は……君を抱く」


息も絶え絶えに話す彼女の命を心配するブレイダーだったが、命に別状はないようだ。
だが、念のために回復アイテムを使い、僅かにだが彼女の体力を回復させる。
最後まで彼女を抱いてあげたい…いや、抱きたいブレイダーは
安心と同時に矛盾していると思う。抱くのは自分だが…処刑をするのも自分なのだから…
そんな考えを振り払い、ブレイダーはエルメスの服を脱がせていく。
エルメスはただ上を見ている。もはや体を動かす力も残っていなかったので、何も言わずにブレイダーにまかせている。
やがて最後に残っていた彼女の黒の下着を脱がせながら、黒い下着は彼女に良く似合っていると、ブレイダーは思った。

エルメスを裸にすると、今度は自分の服を脱いでいくブレイダー。
先程までただボーっと上を見上げているだけだったエルメスは、服の上からでは分からなかった、華奢に見えて意外と鍛えられた体を見ながら
あの逞しい体でこれから抱かれることを想像すると、自然と体の芯から熱くなってきた。


服を脱ぎ捨てたブレイダーは、そんな彼女の傍に腰を下ろすと閉じていた股を開かせて、そっと股間に指で触れる。
「…っふぅッ!…」
エルメスの口から小さく息が洩れる。彼女の膣は少しだけ濡れていたが、ブレイダーはより確実にセックスをしやすくするために、
膣に指を入れて膣内をほぐしていく。
「……あ…うっ……ん…」
ほぐし続けていると彼女の息が次第に荒くなる。体力のない今の彼女は愛撫されるだけでも息が上がるようだ。
これ以上愛撫し続けて余計に消耗させては抱くことが出来なくなってしまう。そう思ったブレイダーは指を引き抜く。
「あッ……はぁっ…はぁっ……はぁっ…」

エルメスの息が整うのを待ってブレイダーは彼女の脚を開いて、自分の太腿に跨らせるような体制にし、愛液の溢れている膣口に肉棒を宛がう。
「エルメス……今から、君の中に入れるぞ」
「………来て……」
彼女の返答を合図に、ブレイダーはゆっくりと腰を進めて行く。
「…あ、あぁぁぁぁ……ッ」
エルメスの口から洩れる甘い声と、初めて味わう女の温もりと気持ちよさに、思わず一気に突き込みたい衝動に駆られる。
しかし、そんなことをすれば今の彼女では体が持たない。何とか自分を押さえ込んだブレイダーは、ゆっくりと少しずつだが
確実に腰を進め挿入していき、最奥へと辿り着くと動きを止めた。
「…ん…ブレイ…ダー…?…」
動きを止めたブレイダーを不思議に思い声を掛けるエルメスに、少し微笑んで答えるブレイダー。
「…全部入ったよ…君の…一番奥まで…」
ブレイダーの言葉を聴いたエルメスは、無理に体を起こして結合部を見ようとする。
だが、ブレイダーは彼女に無理をさせないように、自分から彼女を抱き起こす。
「………繋がって…いるの?…」
「ああ、俺と君は…今一つになっている…」
根元まで肉棒が入っているので、見た目は股間をくっ付けているようにしか見えない。ブレイダーは彼女に見せるために少しだけ腰を引く。
「あっ…」
膣内を擦られる感触にエルメスは小さく喘ぐ。だが腰を引いてくれたので、自分の膣に深々と肉棒が挿入されているのが見えた。
彼女が結合部を確認すると、ブレイダーはもう一度根元まで挿入し直す。
「あぁっ…」
ブレイダーは抱き起こしていた彼女の体を寝かせて
「…今から動かすけど…君はじっとしていて」
「………分かった…わ…」
そう言うと、抽挿を開始。


「あっ……んっ……あぁ………あぁ…」
あくまでゆっくりと優しい抽挿をするブレイダーに、甘く切ない声で喘ぐエルメス。
つい先程までの命を掛けた戦いの空気は、もうどこにも残ってはいない……しかし、ブレイダーの心の中は葛藤に苛まされている。
今自分が抱いている彼女を、この後自分の手で処刑しなければ…殺さなければならないのだから……
見逃す……そんな考えが一瞬過ぎるものの、それは出来ない……自分は宇宙刑事なのだから…法の執行者が、悪を見逃すなど有ってはならない。
「ん…ん……ふ……あぁっ…あ…」
そんな心の葛藤に苦しむブレイダーの耳に、エルメスの切ない喘ぎが聞こえる。
その声を聞いていると、まるで心に直接清涼剤でも流されるかのように、落ち着き癒されていく。
もうブレイダーは考えることを止めた。ただ彼女を抱く、それだけに集中する。

奥まで挿れて、ギリギリまで引き、また奥まで挿れる。
繰り返し繰り返し続けながらブレイダーは思う。
今、自分とエルメスを外から見たらどう見えるのだろうか?
男が女を強姦している?単純にセックスをしているだけ?
それとも……恋人同士が愛し合っている…
「ああッ…あんッ…はっ…あぅッ」
思考は彼女の喘ぎに遮られる。
その声を聴きながら…もっと深く、もっと奥まで繋がりたくなったブレイダーは
腰に力を入れて前に突きだし、彼女の腰を引き寄せる。
「ああッッ!」
彼女の声を聴きながら、この心地良い一時の時間を過ごしていく…

やがて抽挿を続けているのも限界に達したブレイダーは、一度大きく腰を引いてから
最後に力いっぱい突き込んで、肉棒全体をエルメスの膣に挿入した。
「あぁぁぁッああーー…ッッ!!」
どくん どく どく どく…
ブレイダーは込み上げてくる精液をエルメスの子宮に注ぎ込む。
彼女を抱き締め、最後の一滴まで…
「あ…うぅ……ブレイ…ダー…」
甘えるような声を出して自分の名を口にする彼女…
「エルメス…」
それに応えるように彼女の名を呼び、優しく口づける…
「ん…んん…」
甘い時間は、人生で初めての甘く切ないキスの味で幕を下ろした…





剣を構えるブレイダー。その剣を突き立てている場所は……エルメスの胸の上…
既に彼女には服を着せている。
さすがに全裸のまま刑の執行はできないし、したくない…
彼女は一切の抵抗を見せず、ただ黙ってその剣に自分の体が貫かれるのを待っている。
「……何か、言い残すことは…ないか…」
「……」
何も言わずに暫し沈黙している彼女。
「……………そうね…特に……ないわ…」
「……そうか」
手に力を入れるブレイダー…そのとき…
「ああ…一つだけ…有ったわね…」
「………何だ?」

………貴方に…出会えて………よかった……



彼女と自分が恋人同士だったら…どんな感じだったのだろう…

ブランド物を好みそうな彼女は、無茶なプレゼントを要求してくるのだろうか?
それで俺の財布は空っぽになって、次の給料日までひもじい思いをしているのかもしれない。
いや、彼女はそんな俺を見て「しょうがないわね…」などと言って、食事を作りに来てくれるのかな?
そして給料日には「食べさせてあげたのだから、これぐらいは当然よね?」とまた我が侭を言うに違いない。
嫉妬深い彼女は、俺がちょっとでも他の女を見ていたら機嫌が悪くなるだろうな。
機嫌が悪くなった彼女のご機嫌取りは大変だ…また一つ、彼女の我が侭を聴かなければならない…
だから同僚に「彼女は美人だけど、我が侭で嫉妬深いだろ?お前、よく続いてるなぁ…」と呆れられる。
だけど俺はこう答えているだろう…

……それでも俺は、エルメスのことが……好きだからな……



「銀河…連邦、刑法第2条に、2条に…従って…け、刑を…刑を…」
震える声で死刑執行を告げる彼…目を瞑ってそのまま死を受け入れようとしていた私は…彼の震える声に目を開ける…
「何を……泣いているの…?」
彼は目から大粒の涙を流して頬を濡らしている。
「……」
私の胸の上で構えるブレードが震えている……
バカな男……たった一度抱いただけの私に…情でも湧いたのかしらね…
「私は…」
だから言ってやる…この…偽善者で…泣き虫で…バカな男が……
「私は…生きて帰ったら…悪の限りを尽くすわ…」
……立ち止まったりしないように…
「殺して、奪って、陵辱して、苦しめて、それを延々繰り返し…そして、全銀河を恐怖で支配してやるわ!」
「……そんなことは…させない」
私の言葉を聴いた彼は、ブレードを高く掲げ、宣告する…
そう…それでいい……貴方と私は……正義と悪なのだから…

「刑を……執行するッッ!!」

高く掲げられたブレードが…エルメスの体に向かって……振り下ろされた…





……ジャドーベース……

ジャドーの前線基地にして、様々な違法研究がなされている巨大な施設。
その最上階にて、壮絶な戦いが繰り広げられていた。


強力な敵の攻撃に倒れ伏したブレイダーは、地に足を付き立ち上がろうとするも、思うように力が入らない。
必死に立ち上がろうとする彼を嘲笑うかのように、硬い機械の脚が横から彼を蹴り飛ばす。
「ぐぁぁッ…!」
圧倒的な力の前に、為す術もなく倒れるブレイダー。

ガシャッ ガシャッ ガシャッ ガシャッ

彼に近づいてくる機械の足音。
「…大した物だな…この儂を相手にここまで闘えるとは……少々貴様を見くびっていたようだ」
見上げる巨体は機械の体…まるで全身が兵器で出来ているかのようなその体の持ち主
ジャドーの最高幹部にして、首領キングジャドーの参謀…ウエポーンは自分と激闘を繰り広げたブレイダーを賞賛する。
「さすがは、我がジャドーの四人の将軍達を倒しただけのことはある」
よく見ればわかるが、ウエポーンの体にも多数の傷が付いている。ブレイダーの攻撃による傷だ。
ウエポーンは参謀として、また科学者として常に後方に控えて普段は戦いとは無縁である。
かといって戦闘が出来ない訳ではなく、その力はジャドーの№2として自他共に認められるものであり
仮に四将軍が四人がかりでウエポーンに挑んだとしても、返り討ちにされるだろう。
首領キングジャドーも彼には一目置いている。
「儂が復活させた将軍達の合体したショウグンダーを倒したこと、そして儂を相手にここまで闘ったことには素直に敬意を表そう」
そのウエポーンの前に、何とか立ち上がるブレイダー。

「光栄だな……悪名高いジャドーのウエポーン博士に…そこまで言われるとは…」
ウエポーンを見上げてそう言いながらも、自身の体がもはや限界であることはわかる。
「だが……ここまでのようだな」
奴の言う通りだろう…どう足掻いても、もはや勝ち目はない…
体力は底を付き、アイテムも何一つ残ってはいない…
あの機械の腕で、ゴミのように吹き飛ばされて終わりだ。
「……ここまで…か…」
口にしたくなかった言葉。大きすぎる力に…俺は今屈する…
「死ねッ!ブレイダーッ!!」


覚悟を決めたブレイダーは、それでも悪には屈しない!と、ウエポーンの顔を睨み付ける。
そんなブレイダーを、顔を歪めて笑いながら腕を振り下ろそうとしたウエポーン。
……だが。
「…!?」
いつまで立っても来ない攻撃に、あらためてウエポーンを見るブレイダー。
先程まで醜悪な笑いを浮かべていた顔は、驚愕の表情に変わっている。
「か…体が、動かん、」


ホーッホッホッホッホッ…改良型電磁ムチのお味は如何でしょうか?ウエポーン博士。

カツーン カツーン と響く足音。その足音はウエポーンのすぐ後ろで止まった。
そこに現れたのは…冷たい印象の整った容姿に、太腿まで届く薄い紫の長い髪、大きく豊かな胸。
手に電磁ムチを握っているピンク色のマントを着た色っぽい女性…
「き、貴様はッ!」
「お久しぶりですわ、ウエポーン博士」
「エルメスッ!!」
現れたのはジャドー四将軍の紅一点、エルメス将軍。
「………将軍達を復活させた時、貴様だけが居なかったので妙に思っていたが……やはり生きていたのか」
先程、ウエポーンが四将軍を復活させた時、エルメスだけが復活しなかった。
それもそのはず…彼女は生きていたのだから…
だが、ウエポーンにとってはそんなことはどうでもいい…問題は…彼女が自分に攻撃をしていることだ。
「貴様、一体どういうつもりだ?儂を攻撃するなど…ジャドーを裏切る気か!」
怒りを露わにして吠えるウエポーン。
「ホホホホ…裏切るなどと、とんでもありません。……ただ、」
「ただ、何だ?」
訝しむウエポーンに不敵な笑みを浮かべて彼女は言い放つ。
「頂くだけですわ…ジャドーの全てを…そして、キングジャドー様…いえ、キングジャドーに成り代わって全てを支配する!」

「ク、クククク…何を言うかと思えば、愚か者めがッ!貴様如きがキングジャドー様に叶うとでも思っているのか!!」
自分の前でボロボロになっているブレイダーに破れたエルメスが、あの圧倒的な力を持つキングジャドー様に勝てるものか!
キングジャドー様どころか、この儂にすら遠く及ばぬ!
そう思い、目の前に居る愚かな女を見下すウエポーン。
しかし彼女は全く態度を変えない。
「さあ…それはどうかしら?少なくとも貴方「如き」には負けないわね」
「貴様~ッ!いいだろう…ブレイダー共々始末してくれるわッ!!」
ウエポーンはエルメス、そしてブレイダーに襲い掛かっていった。
だが、エルメスは彼の本気の一撃を見切り、あっさりと躱す。
「何…!?ば、バカな、貴様如きに躱せるはずがッ!?」
もっとも、その後に繰り出した彼女の攻撃も受け止められてしまったが。
「くッ!重いッ!」
エルメスは明らかに強くなっている。
以前の彼女ならば彼の最初の一撃で地に伏していたことだろう。
「以前の彼女」ならば…
「何故ここまで…!」
「何の勝算もなく貴方に挑むほどバカじゃないわ。私がブレイダーに敗れてからどれだけ時間が経ったと思っているのかしら?」
ブレイダーに敗れた後、彼女は自分の技を磨いていたのだ。
もう二度と、敗北を喫したりしないように…それだけの時間は十二分に有った。
「その程度のことに考えが到らないなんて……怪人の研究開発ばかりしていて、惚けたんじゃありませんこと?ウエポーン参謀」
遙かに格下の筈だったエルメスにバカにされ、激怒するウエポーン。
「黙れェッ!」
エルメスは確かに強くなった。それでも互角では勝てない…だが、此処にはもう一人居る。
「ブレイダー!これを使いなさい!」
彼女はブレイダーに回復アイテムを投げる。
すかさず受け取り使用、みるみる体力の回復したブレイダーは、彼女とウエポーンの間に割ってはいる。
「第二ラウンドだウエポーン!!」
エルメスの電磁ムチで痺れさせ、ブレイダーが攻撃。
二人の連携に手を焼きながらも、必死で反撃するウエポーン。
いつ果てるともない激闘は続いた…



「ブ、ブレイダーよ、ネオドクロンガーのバリアーは儂が切っておいた…これで貴様のジェット機で乗り込めるはずだ…」
激闘の果て、ブレイダーとエルメスはウエポーンを倒した。
彼にとって誤算だったのは、エルメスが以前に比べて遙かに強くなっていたことだ。
今の彼女は、単独でもウエポーンと互角の闘いが出来るほどに強くなっていた。
その彼女とブレイダー…二人を相手に闘えば彼が敗れるのも無理からぬ事…
「これも、キングジャドー様の…ご命令だ…どのみち貴様は……死ぬのだ…」
瀕死のウエポーンはエルメスを見て言葉を続ける。
「す、すばらしい進歩だ、だが、儂を倒したくらいで、いい気になるなよエルメス、貴様など、き、キングジャドー様の、足下にも、及ばぬ、わ……」
そこまで言って、ウエポーンは息絶えた……


「ありがとうエルメス。君のおかげで助かったよ」
絶体絶命のところを彼女に助けられたブレイダー。
「勘違いしないで…私は借りを返しただけよ」
命を助けられた借りを、命を助ける事で返した。
そう言うエルメスを複雑な思いで見るブレイダー……結局、彼はエルメスを処刑することは出来なかったのだ。
「君は、これからどうするんだ…?」
「言ったはずよ、キングジャドーを倒して私がジャドーの首領になるって」
悪の秘密結社ジャドーは潰さなければならない…全銀河の平和のためにも。
だから彼女の発言を、行動を見逃すことはできない。
たとえキングジャドーを倒しても、彼女がジャドーを支配して地球を、銀河を征服しようとするのならば意味がない…
「させないぞ、そんなこと」
「だったらどうするのかしら?「君を…」逮捕する…できないわね。……自ら法を破った貴方には」
言い掛けた言葉を遮って、エルメスは彼の罪を口にする。
彼女を見逃してしまったブレイダーは銀河連邦刑法第2条違反に該当する。
発覚すれば即懲戒免職、場合によっては彼が罪人として裁きを受ける立場になってしまう。
「ほら、どうするのかしら?バカで泣き虫の偽善者さん」
そう言って彼に近づくと、彼女は固まって何も言えないブレイダーの頬を優しく撫でる。
「エ、エルメス…き、君は、」
「ホホホホ…貴方に私を捕まえることはできないわ……んっ…」
「んむっ…!」
そのまま彼の唇に、自分の唇を重ねるエルメス。
舌を彼の口の中へと割り込ませて、彼の舌を探り絡みつかせる。
「ん…ちゅ…ふっ…んんっ…」
深く深く口付けてゆっくりと唇を離すと…自分を抱き、法を曲げて命を助けた偽善者の男は、ゆでだこのように顔を真っ赤にしていた。
「今度は……私が貴方を抱く番かしら…?」

ウエポーンの死体がすぐ横にあるというのに、気にも止めずにエルメスは俺を抱いた。
俺は抱かれてしまった……彼女の言うように、俺は彼女を逮捕することはできそうにない…

…俺は、エルメスに惚れてしまったから……



エピローグ

その後、ブレイダーとエルメスは共闘してキングジャドーを倒し、秘密結社ジャドーは一度滅びる…
しかし七年後、ジャドーは復活した。新たな首領、クイーンエルメスの下で。

その頃から妙な噂が銀河中で囁かれ始めた。
曰くクイーンエルメスの娘と、ジャドー関連の捜査を行う特別捜査官…宇宙刑事ブレイダーの娘は双子である、と。
双方の娘を見たことがあるという人の話では、二人の娘は鏡写しのように瓜二つなのだという。
宇宙刑事ブレイダーは既婚者で、七年前に結婚したらしいのだが、その奥さんは経歴その他一切謎に包まれていて、見た者は一人もいないらしい。
ただ本人曰く「ええ、妻とは一緒に住んでいません。でも、月に数回は合っていますよ。お互いに仕事が忙しいもので…」だそうだ。
憶測の域を出ないが、その妻がジャドー首領のクイーンエルメスなのでは?とも言われている。
それ故に銀河連邦警察とジャドーの争いは、二人の壮大な夫婦喧嘩だと、まことしやかに囁かれている。
だが、どれほど調べたところで二人が夫婦であるという確定的な証拠は出ない上に、銀河連邦警察も動かないので都市伝説的な物なのかもしれない…
しかし、都市伝説というものは一過性のもの…にも関わらず、宇宙刑事ブレイダーとクイーンエルメスの噂は
いつまで経っても消えることはなかった……




ある母と娘の会話

「ママー」
「なーに?」
「ママとパパは、どうしていつもケンカをしているのー?」
「それはね、ママが悪者で、パパが正義の味方…じゃなくて、偽善者だからよ」
「ぎぜんしゃー?」
「いい人ぶっている人よ」
「おねえちゃんとおんなじなんだー。ママはパパがキライなのー?」
「ママはパパが大好きよ…お姉ちゃんのこと嫌いなの?」
とても二児の母には見えない母親は娘の疑問に答えながらも、「姉と同じ」の後に「パパのことが嫌いか?」
と聞いてきたので、娘はもう一人の娘…双子の姉が嫌いなのかと思い、心配そうに聞いた。
「ん~ん、おねえちゃん大好きー」
「そう、良かった……」
娘の答えを聴いて安心した母親は、「もう遅いから寝なさい」と娘を寝かしつけると。
自分も娘の寝顔を見ながら、「お休みなさい」と明かりを消して、今夜もバカで泣き虫で偽善者な夫の夢を見るのだった……


今日もバカで泣き虫で偽善者な正義の味方と、高飛車で我が侭で女王様な悪の首魁は、宇宙のどこかで闘っているのかもしれない……

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