ついにこの日が来ちまったか…。
真っ白なタキシードの袖を通し、目の前にいるコイツに視線を移す。
白のドレスに不釣合いな妖艶な笑み。あぁ、その不敵な笑顔に惚れ惚れするよ。
そして周りには俺たちを祝福しに来た敵対する二組の組織。
この光景に思わずため息が出る。
「締まらない顔をしてため息をついているようだが、この状況がそんなに不服かね?」
「…不服って訳じゃないが、色々と思うところがあってな。」
「!まさか女か!?…くっ。私の調査不足だったか…。だが我々の組織力を持ってすれば…。」
「それも外れだ…ってか、もしそうだったら一体何をするつもりなんだ!?」
「…黙秘する。で、何を考えていたんだい?」
「…こいつ等見て何とも感じないのか?」
べろべろに酔って彼女の上司と肩を組んで音の外れた歌を歌っている司令。
何でも同窓生だったらしく、母校の校歌を歌っているとか。
向こうの幹部(♂)と熱く何かを語り合っているレッド。
彼等の繋がりは見えてこないが、類は友を呼ぶってことでレッドと同じく熱血バk…もとい熱い性格の持ち主の漢なのだろう。
唯一敵対組織らしく火花を散らしているのはピンクと女戦闘員達。
何でもブーケを巡る小競り合いが始まったらしいが…。ピンクよ、そんな物奪い合うよりレッドのゴムに穴を開けておく方が手っ取り早いぞ。
「うむ。微笑ましい光景だな。」
「…珍妙な光景でもあるがな。」
まぁ人の結婚式で殺伐とした空気を醸し出されても困るがな。…一部では交戦中だが。
「なぁ。」
「何だ?」
「幸せになろうな。」
「その為にさっさと足を洗ってくれたら助かるんだがな。」
(→
次話)
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